広尾学園 中学校 高等学校は、1970年代に小学生の間で大流行した「スーパーカー消しゴム」を題材に、小さなクルマを無償3次元CADでモデリングし、それを3Dプリンタで出力してノック式ボールペンで弾いて遊ぶイベント「モデ1GP」を開催した。
広尾学園 中学校 高等学校は2015年12月20日、3次元CADおよび3Dプリンタによるモノづくり体験イベント「モデ1GP」を開催した。
モデ1GPとは、1970年代に小学生の間で大流行した「スーパーカー消しゴム」を題材に、小さなクルマを3次元CADでモデリングし、それを3Dプリンタで出力してノック式ボールペン(三菱鉛筆のBOXY)で弾いて遊ぶイベント。もともとモデ1GPはアイティメディアの3Dモデラボが発案し、Engadget 日本版、工作支援団体Precraとともに、これまで2回開催してきたイベントで、「学ぶ」「作る」「遊ぶ」を1日で体験できるのが特徴である(関連記事:昭和の遊びが3Dプリンタと融合したら? 「モデ1GP」誕生まで)。
モデ1GPに参加することで、短時間でデジタルファブリケーションによる新たなモノづくりの在り方(の一端)を体験できることから、第1回大会に参加した教育関係者の目にとまり、千葉県の高等学校で特別開催した実績もある(関連記事:学校に3Dプリンタがやってきた! 高校生が初めてのデジタルものづくり体験)。
この高等学校での取り組みに注目した、広尾学園 高等学校の生徒である渡辺康太さんが発起人となり、同校での開催に向けて有志メンバーを募り、準備を進めてきたという。また、渡辺さんから相談を受け、この活動に賛同したXYZプリンティングジャパンが全面協力し、生徒たちがモデリングしたクルマを3Dプリントするために、6台の3Dプリンタを設置し、運営をサポートした。
当日は、会場となった同校のカフェテラスに40人弱が集まった。同校の中学1年生〜高校1年生を対象に、事前に参加希望者を募ったという。
午前中の3Dモデリング講習は、MONOistの連載でおなじみの志田穣さんが講師を務め、オートデスクの無償3次元CAD「123D Design」の基本操作とモデ1GP仕様の小さなクルマの作り方を指南。分からないところは、志田さんや当日サポートスタッフとして参加したPrecraがフォローしながら、ギリギリまでクルマの設計に時間を費やした(参考:無償3D CAD 5分講座)。
お昼休みと、休憩後に行われた講演およびライトニングトークの時間を使いXYZプリンティングジャパンのスタッフが、参加者である生徒たちの3Dデータを順番に出力。1台の3Dプリンタで6〜7台のクルマを同時に出力することで、1時間半〜2時間程度で全てのクルマを造形できた(残念ながら、3Dデータの不備で出力できなかった生徒も数名いた)。
出力されたクルマを手にした生徒たちは、ニッパー、ヤスリ、ペンなどを使って、サポート材の除去や磨き、塗装を行い、ノック式ボールペンで飛距離を競う、モデ1GP本戦に向けての最終調整を行った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.