ケイズデザインラボは、自社ブランド製品として初となる切削モデリングマシン「3D-Mill K-650」を、岩間工業所と共同で開発していることを発表した。
ケイズデザインラボは2015年12月1日、自社ブランド製品として初となる切削モデリングマシン「3D-Mill K-650」を、岩間工業所と共同で開発していることを発表した。
2016年1月に正式リリースを予定し、先行予約受付を開始。2016年4月ごろに出荷予定だという。販売価格については、600万〜700万円台になる見込みだ。
同製品の外形サイズは1207×1330×1546mmで、樹脂加工、真空成形型、モデリングに対応。加工材料は石こう類、ABS、ケミカルウッド、軽負荷金属をサポートする。加工サイズは、ATC(オートツールチェンジャー)ユニットを標準搭載しながらも、650×450×200mmとワイドな動作範囲を確保している。また100V電源で動作し、オフィス内でも設置可能となっている。
ケイズデザインラボ 代表取締役社長 原雄司氏は、「表面の仕上げや精度を追求したモノづくりをするのであれば切削加工が適している。3Dプリンタの利用に慣れてきた方の次のステップのツールとして利用してもらいたい。また、3D-Mill K-650をきっかけにもう一度、切削加工の良さを見直してほしいと考えている」と説明。自社ブランドとして初の製品ということもあり、“道具”としての使い勝手や見た目のカッコ良さにもこだわった仕上がりになっていると自信を伺わせる。
まず、見た目の部分については、関東自動車でトヨタ車のデザインなどを手掛けていたデザイナーの片山次朗氏に依頼。原氏の強い要望もありアニメ『機動戦士ガンダム』のようなロボットを連想させるデザインをベースに、上から加工状況をのぞける開口部を設置したり、利用者が近寄って無理なくのぞきこめるように筺体下部の足元をくびれさせたりなど、随所に使いやすさへの配慮も取り入れられている。また、正面の開閉ドアはスーパーカーのガルウイング式ドアをほうふつとさせるギミックが搭載されおり、原氏のお気に入りだという。「中身は鋳物で十分な剛性を確保。外装については職人による板金加工で仕上げてもらっている。おもちゃっぽい雰囲気は一切なく、オフィスに置いても違和感のないデザインに仕上がっている」(原氏)。なお、主なターゲットとしては、企業のデザインセンターや教育機関、ハードウェアスタートアップ施設、ファブスペースなどを想定しているという。
使い勝手の面で特にこだわったのが、加工サイズだ。「切削加工機の場合、X方向が500mmを超える機種が限られており、手に入れるとなるとどうしても非常に高価なハイエンド機種になってしまう。ここ数年でそのレンジに対応できる良い機種が出てこなかったので、それならば自分たちが本当に使いたいと思えるこだわりのある道具を世に送りだそう! ということになり開発することになった」と原氏は述べる。
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