さて、図10の解析結果では面白味がないので、「バックステップ流れ」と呼ばれる段差を通過する流れの例を用意しました。添付のbc.bmpファイルとgrid.txtファイルをダウンロードして、Flowsquare横のファイルを上書きしてください(必要であれば、元のファイルは別な箇所に避難させてください)。
バックステップ流れとは、流路が垂直に拡大する流れで、流体シミュレーションと実験結果との比較に用いられます。Flowsquareを起動し、プロジェクト名を入力してEnterキーを押すと、確認画面でのEnterキー入力後、計算が始まり、図12のような計算過程が表示されます。
図で流れは左から流入し、矢印の向きで流れの向きと、矢印の長さと色で流速の大きさを表しています。図中下側にあるカラーバーが流速の目安であり、青色で0m/s、赤色で1.27m/sとなります。
図を見ると、段差後方には流速の小さな領域ができていることが分かります。また、この部分では、矢印は右向きから下向きあるいは左向きに変わり、渦が発生していることが分かります。
次回は、Flowsquareの解析モードの使い方と、ベルヌイの定理をFlowsquareにより再現してみます。
伊藤孝宏(いとう・たかひろ)
1960年生。小型モーターメーカーのエンジニア。博士(工学)。専門は流体工学、音・振動工学。現在は、LabVIEWを使って、音不良の計測・診断ソフト、特性自動検査装置などの開発を行っている。
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