無償で使えて、要素数や利用期間に制約もない「Adventure_On_Windows」で構造解析をしてみよう! 今回は、「モデリング&解析実践編」。
前回は「Adventure_On_Windows」(AdvOnWin)のインストール方法と、サンプルデータを用いた操作方法について説明しました。サンプルデータではなく、自分で作成したモデルで解析する場合、igesファイルでモデル形状を受け渡しますが、前回説明したように、残念ながら、多くのCADはAdvOnWinには対応していません。その場合、AdvOnWinに搭載された簡易CAD機能でモデルを作成する必要があります。
今回は、簡易CAD機能の使い方と、例題として、片持ち梁(ばり)のたわみ量の解析と穴開き板に加わる応力の解析を行ってみます。ここで、お断りしておかなければなりませんが、簡易CAD機能はコマンドを羅列するタイプの非常に原始的なもので、最近のCADソフトのようにGUI(アイコン)で操作するようなソフトではないことはご了承ください。
AdvCADと呼ばれる簡易CADは、コマンドと座標を羅列したテキストファイルで、拡張子がgm3dとなります。作成したいモデル形状の頂点の座標値を求めておき、テキストエディタで、コマンドと座標を表1の文法にしたがって記載します。その後、拡張子がgm3dの任意の名称で保存した後、AdvOnWinで読み取ると、AdvOnWin内にモデルが生成されます。
では、いくつか立体を作ってみます。文章では長くなるので表にしました。表
2のように操作すると、図1に示す幅20長さ300高さ20の角柱ができあがります。
AdvOnWinではモデルの形状を確認する手段が境界条件設定までありませんので、はじめにモデルを作成したら、四面体要素で接点密度を大きめにして、簡略でもよいので手早くメッシュを生成して形状を確認することをお勧めします。他の形状については、テキストエディタへの入力を表3のようにすると、図2に示す円柱や、図3に示す穴開き板が得られます。
サンプルデータはこちらからダウンロードできます。
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