スズキは「東京モーターショー2015」において、モーターだけでの走行(EV走行)が可能なフルハイブリッドシステムの技術展示を行った。2016年内に発売予定の「ソリオ ハイブリッド」に搭載する予定だ。
スズキは、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)において、モーターだけでの走行(EV走行)が可能なフルハイブリッドシステムの技術展示を行った。2016年内に発売予定の「ソリオ ハイブリッド」に搭載する予定だ。
同社は2015年8月に小型車「ソリオ」をフルモデルチェンジし、スターターモーター機能と走行アシストのためのモーター機能を併せ持つ「ISG(モーター機能付き発電機)」や専用のリチウムイオン電池パックなどから成る「マイルドハイブリッド」を採用した。このマイルドハイブリッドは、「ワゴンR」などの軽自動車に採用を広げていた「S-エネチャージ」と基本的に同じ構成のシステムになる。
しかしマイルドハイブリッドのISGは、走行アシストや減速エネルギーの回生は可能だが、モーターだけで走行するEV走行はできなかった。
開発中のフルハイブリッドシステムの構成は、マイルドハイブリッドと比べて大幅に変更されている。まず走行に関わるモーター兼発電機として、新たにモータージェネレータユニット(MGU)が追加された。トランスミッションは、マイルドハイブリッドではCVTを用いていたが、5MTをベースにクラッチとシフト操作を自動で行う電動油圧式アクチュエータを採用した自動マニュアル変速機(AMT)の「オートギヤシフト(AGS)」が採用されている。「AGSは、CVTよりも効率が良く、サイズも小さくなるのでスペース的に有利。変速時のダイレクトな操作感も得られる」(同社の説明員)という。
ただしAGSの課題とされるのが変速時に加わるショックだ。CVTよりもはるかに大きいとされるが「MGUの制御を最適化することでAGSの変速ショックを和らげている。通常のAGSよりもスムースだ」(同説明員)としている。
リチウムイオン電池パックは、マイルドハイブリッドでは助手席床下に設置しているが、フルハイブリッドシステムでは荷室下部に設置することになる。これは、マイルドハイブリッドと比べてより容量が大きくなり、サイズも大型になるためだ。
エンジンはマイルドハイブリッドと同じ排気量1.2l(リットル)のデュアルジェットエンジン「K12C型」を採用する見通し。走行アシストには利用しないものの、高機能のスターターモーターとしてISGも搭載する。「ISGはエンジン再始動時の静粛性が高く、フルハイブリッドシステムでも引き続き採用する計画」(同説明員)である。
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