IoTの活用に向けた中長期活動プランを検討する際には、まずIoTでどのようなビジネスモデル革新を想定し、そこからどういった期待効果を得たいのかといった目標を設定する必要があるだろう。
しかし、ビジネスモデル革新といってもどのような種類があるのか。IoT活用によって期待するビジネスモデル革新とその効果について企業にヒアリングすると、図2に示すように大きく4つの革新領域が挙げられる。
顧客や調達先とつながるサプライチェーン全体で、部材・製品、設備、工程、品質などの情報を可視化し共有することで、生産能力の最大活用、設備効率向上、品質のトレーサビリティ確保を目指す。
製造、販売、利用、廃棄までの製品ライフサイクル情報を取得し一元管理することで、顧客や販売代理店と連携して製品の稼働率向上と効果的な利用をサポートし、製品の利用価値を最大化する。
上記の2つの領域での成果を生かし、品質情報やニーズを素早く設計に取り込んで商品力を向上させる。また、設計情報を迅速に生産に反映させることで、製品の市場展開をスピードアップする。
現場の情報をタイムリーに経営層に提供することで、経営判断を支援する。
各企業は自社の目指す革新の期待効果を絞り込み、KPIを定めて経営貢献の大きさを評価し、定めた優先順位を共通認識とすることが重要となる。
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