政府はTPPにおける合意内容を公表した。製造業に関連する工業製品では、TPP相手国へ輸出する際の関税は品目数ベースで86.9%の品目で即時撤廃、最終的には99.9%の品目で関税撤廃が行われる。日本への輸入においては、品目ベースで95.3%の関税を即時撤廃とし、最終的には100%の関税を撤廃する。
環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)は2015年10月5日(現地時間)に米国アトランタで開催されたTPP閣僚会合において大筋合意されたが、政府は2015年10月20日、大筋合意内容について公表した。
米や麦など農産物分野では関税維持を確保したが、製造業の関連する工業製品領域では、基本的に関税を撤廃する動きだ。TPP参加国から日本への輸入に対しては、品目数ベースで95.3%、貿易額ベースで99.1%の項目で関税を即時撤廃する。さらに最終的には品目数、貿易額ともに100%の関税撤廃を実現する。一方で日本からTPP参加国への輸出については、11カ国平均で品目数ベースで86.4%、貿易額ベースで76.6%で即時撤廃する。また最終的には品目数ベースでも貿易額ベースでも99.9%の関税撤廃率を実現するという。時期の設定はあるものの、工業製品においてはTPP域内でほぼ無関税の自由貿易が行われるようになる。
TPP参加国のうちで最大の市場を持つ米国の関税については、最大の争点となっていた乗用車が現在の2.5%から25年目での撤廃を行う。15年目から2.25%に削減し、20年目に1.25%へと半減、22年目で0.5%へと徐々に関税率を低減していく計画だ。また現在25%の関税がかかっているトラックについては29年間は関税を維持し30年目に撤廃とし、キャブシャーシについても15年目から削減を開始し25年目での撤廃を実現する。その他、バスは10年目の撤廃を目指すとするが、自動車関連の品目については、非常に長い期間関税が維持される計画となっている。
二輪車は既に排気量700cc以下クラスでは無税となっているが、700cc以上については現在は2.4%の関税がかかっている。これを4年間は関税を維持した上で5年目に撤廃するとしている。また自転車については現在は5.5〜11%の関税があるのを即時撤廃する。
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