日常の暮らしに欠かせない存在であり、日本の文化の象徴でもある“銭湯・お風呂”が、3Dプリンタと融合したらどんな新しいアイデアが生まれてくるのか? 「3Dモデラボ コンテスト 〜2015夏〜」に寄せられた3Dデータ作品の中から優秀作品を決定した。
皆さん、こんにちは。3Dモデラボ事務局です。2015年7月7日から9月15日までの期間、“銭湯・お風呂グッズ”をテーマに展開してきた「3Dモデラボ コンテスト 〜2015夏〜」の審査作業がようやく完了しましたので、受賞作品と審査員からのコメントを発表いたします。ちなみに、今回は銭湯を貸し切っての受賞発表会イベントを開催しましたので、表彰の模様も併せて紹介したいと思います(貸し切り銭湯リポートはこちら)。
まず、審査結果の発表の前に、応募作品数を見ていきましょう。今回のテーマは「お風呂がもっと好きになる。思わず銭湯に行きたくなる。」を合言葉に、“銭湯・お風呂グッズ”を広く募集しました。銭湯・お風呂は、日常の暮らしに欠かせない存在であり、前回の兜デザインコンテストと同様に日本の文化を象徴する1つでもあります。3Dプリンタというテクノロジーと日常や文化が融合すると、どのようなアイデアが生まれてくるのだろうか、もしかするとそこから新しい製品が生まれてくるかもしれないという期待と可能性を込めて、銭湯・お風呂グッズをテーマに据えました。
そんな思いが通じたのか、総データ数143(作品数106)、参加者40人と、事務局側の予想よりも多くの作品投稿がありました(※締め切り時点の集計値)。エントリーしてくださった皆さん、本当にありがとうございます!!
なお、今回は東京銭湯 -TOKYO SENTO-さんと、バスクリン銭湯部さん、ものづくり系女子の神田沙織さんにもコンテストの企画・告知や審査にご協力いただきました。また、事前に行われたワークショップではオートデスクさん、一部作品の造形にローランド ディー.ジー.さん、モデラボ賞の賞品提供(ダヴィンチ 1.0A)にXYZプリンティングジャパンさんの多大なるご協力をいただきました。
銭湯・お風呂グッズコンテストでは、「バスクリン銭湯部賞」(3人)、「東京銭湯 -TOKYO SENTO- 賞」(1人)、「モデラボ賞」(1人)を選出し、それぞれ豪華賞品を副賞として贈呈いたします。どんな賞品が贈呈されたかは以降で紹介したいと思います。
それでは前置きはこれくらいにして、各賞の受賞作品を見ていきましょう!
バスクリン銭湯部さんが選出した、バスクリン銭湯部賞受賞作品は次の3作品となります! おめでとうございます!!
【作品の説明】
潜水艦形の発泡入浴剤を入れて、お風呂に浮かべて遊ぶオモチャです。
特徴:進みます! (タブン倒れます! (ナンデカナー
入浴剤、写真のもの1回分がちょうど入ります! (グウゼンネ
しっかりと洗わないと入浴剤の香りがずっとします! (アラッテネ
潜水艦なのに潜水しません! (ソラソウダ
複数持ち寄って遊ぶときは、1回の入浴剤の使用量を守ってね♪
審査員(バスクリン銭湯部 高橋正和さん)からの評価コメント: 今回のコンテストテーマである『お風呂がもっと好きになる。思わず銭湯に行きたくなる。』に本当にぴったりな作品だと感じ、選ばせていただきました。バスクリン社員の中でも、「これで遊んでみたい」と評判も良い作品です。
実際にはさまざまな試験などのハードルもありますが、『きき湯』のおまけとして『バスマリン』が世の中に出るなんてことも、あるかもしれません。子供たちが銭湯でそれぞれのバスマリンでレースをして遊んだり、最初は常連さんや番台さんに怒られながらも、最後には大人たちの方が勝負に熱くなってしまったり。お風呂や銭湯が楽しくなる絵が最も浮かんだすてきなアイデアでした。受賞おめでとうございます。
審査員(バスクリン銭湯部 高橋正和さん)からの評価コメント: お風呂でシャボン玉、想像しただけで心が躍ります。湯船につかりながら、もの思いにシャボン玉を吹いたり、子供と身体を洗いながらシャボン玉を飛ばしたり。そんなお風呂が楽しくなる、もっと好きになるすてきなアイデアだと感じ、選ばせていただきました。また、石けんが溶けた余分な部分を使うという設計もよく練られており、完成度の高さに驚きました。
モノづくりでは、技術力・研究力ももちろん重要ですが、何よりも「誰が」考えるかが最も重要ではないでしょうか。今回の『シャボン玉で遊べる石鹸トレイ』、優しいお人柄がとても感じられる作品でした。受賞おめでとうございます。
【作品の説明】
お風呂の浴槽にたくさん岩を並べたら露天風呂気分になると思い吸盤で付ける岩を考えてみました。「Autodesk Fusion 360」でモデリングしました。
全国いろんなところの温泉や銭湯の岩を3Dスキャンしたデータがあれば、3Dプリントして家でも雰囲気を味わえるかもしれません。岩をモデリングしてみて感じたのは岩は奥が深いということでした。
審査員(バスクリン銭湯部 高橋正和さん)からの評価コメント: 『お風呂も、まず形から。』こんな言葉が生まれてきそうなアイデアです。今回の賞品が『日本の名湯』ということもあり、自宅のお風呂で温泉気分が楽しめる作品の中からも1つ、選ばせていただきました。今やお風呂もただ温まるだけのものから、バスタイムを楽しむものという価値観に変わり、浴槽の装飾品に可能性を感じます。
また、一般的なモノづくりの場合、商品化には幾つか越えなければならない条件があります。3Dモデラボコンテストは、「こんなものがあったら面白いかもしれない」という素直な思いで、モノづくりができることに最大の魅力があるのではないでしょうか。お風呂の岩、世の中の需要がどれほどあるかは分かりませんが、私はすぐ欲しいと思いました。受賞おめでとうございます。
受賞された3人の方々には、副賞としてバスクリンさんから「日本の名湯ギフト」が贈呈されます。受賞発表会では、木の背さんとユウタヤハタさんが駆け付けてくれました!
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