富士通研究所が、数百台のアクセスポイント(AP)で構成される無線LAN環境でも、1分以内で干渉の少ないチャネル割り当てを自動算出する技術を開発した
富士通研究所は2015年9月9日、数百台のアクセスポイント(AP)で構成される無線LAN環境でも1分以内で干渉の少ないチャネル割り当てを自動算出する、チャネル割り当て技術を開発したと発表した。性能向上と動作検証を進め、2016年度中での実用化を目指す。
スマートフォンやPCで広く使われる無線LANは設置と利用が容易であるために広く普及しているが、AP数が増えると電波干渉によりスループットが低下する。解消のためには周波数の異なるチャネルを選択する必要があり、普及しているAPには自動的にチャネルを選択する機能も搭載されているが、後から設置されたAPが空いているチャネルを探す仕組みであるため、全てのチャネルが利用されているとこの場合もスループットが低下する。
このチャネル組み合わせを最適化する手法は既に存在しているが、計算量がAPの3乗に比例するため、スタジアムなど数百台レベルでAPが設置される環境では現実味に乏しかった。同社の開発した技術は総干渉量を推定することで計算量をAPの3乗から2乗に削減、また、各APの干渉の受けやすさを基準とした優先順位付けを同時に行うことで、数百台レベルでの無線LAN環境でも1分以内に干渉の少ないチャネルへの割り当てが行えるようになった。
同社による評価では、AP単独によるチャネル選択に比べて、チャネル割り当て時間の高速化の他にも平均スループットの向上(15%)を確認した。また、低スループットのAP(スループットが下位1%になるAP)においては最大2倍のスループット向上も確認できたとしてる。
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