パナソニックが高校生の設計した電池駆動の電車に乾電池「エボルタ」を搭載し、「世界最長距離 鉄道走行」のギネス記録に挑む。
パナソニックは2014年9月8日、単1形の乾電池「EVOLTA(エボルタ)」を動力源とした、高校生の設計製作した電車を走行させ、ギネス世界記録を目指すと発表した。秋田県の由利高原鉄道 鳥海山ろく線の営業路線を約20kmに渡って利用し(約10kmの往復)、「乾電池で走る車両が線路上を走行した最長距離」の記録達成を目指す。
走行する車体の設計と製作は、埼玉県立川越工業高等学校 電気科「電車班」所属の13名が行い、外装デザインも同校デザイン科の生徒が担当する。同校電気科は2011年より3年生が電車製作を「電車班」として行っており、「鉄道博物館」でデモ走行を行った実績も持つ。
今回の協力については、2014年に同社が行ったエボルタによるオリジナル電車走行(関連記事:パナソニックが単1形乾電池で1トンの電車を動かす、秋田県の廃線で挑戦)を現地で見学した同校 君島教諭がパナソニックへ連絡を取ったことで実現した。
ギネスを目指す車両は外形寸法が全長4000×全幅1500×全高2900mmで、車両重量が1.1トン(人を乗せた状態での総重量は約2トン)。2014年に登場した車体とサイズは近いものの、実際の営業路線を走行することから安全性の確保を中心とした設計となり、重量は増加している。動力源は単1形のエボルタを利用して30Vの出力を得る予定(利用するモータの定格は24V)だが、本数は未定だ。
同社では「エボルタ」の性能を分かりやすく紹介するための“エボルタチャレンジ”を2008年より行っており、これまでにグランドキャニオン登頂や東海道五十三次走破、トライアスロン完走などに挑んできた。2014年には廃線を利用して、人が乗ることのできる電車を8kmに渡って走行させた。
ギネスへの挑戦となる今回の本番走行は、2015年11月3日(火)に行われる予定だ。
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