文字と文字のすき間が狭そうなので、「寸法記入コマンド」を使って測ってみましょう。「0.956」ではちょっと窮屈な気がしますね。また、切削中に割れを起こす危険もあります。なので文字が醸すテイストは維持しながら、真ん中のIを基準にMとEの位置を左右にずらしましょう(図12)。
「移動コマンド」を使ってMの文字を左へ2mmずらします。同じようにEの文字を右へ2mmずらします(図13)。
配置基準用に、上下の赤丸の間に水平の「中心線」を引きます(図14)。
「移動コマンド」で範囲を選択してから選択範囲を確定します(図15)。
その後中心線上にカーソルを置いたまま左クリックするとスタンバイOKなので、矢印の方向へずらしていきます。移動先のオブジェクトの中心線と移動するオブジェクトの中心線が重なれば、Y方向の位置が決まります。その後画面上で操作してX方向の位置を確定します。
これで設計データは95%出来上がりです。残りの5%は「内角の処理」です(図16)。
今回、四角形の彫込部分の内角を丸くしたのは、別に「かわいく見せたいから」という理由だけではないのです。丸くするのはエンドミルの都合に合わせているのです(図17)。
エンドミルは円筒状の刃物なので、極端な表現をすると「四角い部屋を丸く掃く」ことしか出来ません。データ上の内角が直角になっていても使うエンドミルの刃径が3φなら、内角には1.5Rの丸みが残ります。こればかりはどうしようもない話で、エンドミルで切削する限り内角Rをゼロにすることは出来ません。なのでCAD設計の段階で、内角には最低でも、使うエンドミルの半径分のRを付ける配慮をするのです。
以上を踏まえて、全ての内角を丸める作業をします。データを見直すと、内角が残っているのは赤丸の部分のようです(図18)。
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