ダイハツ工業が、2人乗り軽スポーツ「コペン」の“第3のモデル”「CERO(セロ)」を発表した会見では、コペンの最大の特徴である樹脂外板の着せ替えを中心とした「DRESS-FORMATION」の新たな展開が明らかになった。
ダイハツ工業が、2人乗り軽スポーツ「コペン」の“第3のモデル”「CERO(セロ)」を発表した会見(関連記事:待望の丸目「コペン」が発売、吊り目「ローブ」への生着替えは10分で完了!?)では、コペンの最大の特徴である樹脂外板の着せ替えを中心とした「DRESS-FORMATION」の新たな展開が明らかになった。
3Dプリンタ世界最大手・Stratasysの日本法人であるストラタシス・ジャパンと共同で、DRESS-FORMATIONに用いるパーツ「DRESSパーツ」を3Dプリンタで製造/販売することを目指すプロジェクト「COPEN Effect Skin 3DP」だ。
今回のプロジェクトには、ダイハツ工業とストラタシス・ジャパン、そしてコペンの開発段階からアドバイザーを務めているznug designの根津孝太氏、アーティストで3DクリエイターのSUN JUNJIE(そん・じゅんじぇ)氏が参加。バンパーやエンブレム周りを加飾するためのDRESSパーツ「Effect Skin」を開発した。
同プロジェクトは、根津氏がコーディネーターを務め、ダイハツ工業はコペンの図面データを提供し、SUN JUNJIE氏がEffect Skinのデザイン、ストラタシス・ジャパンがEffect Skinの製造を担当している。ストラタシス・ジャパン社長の片山浩晶氏は、「最終製品に使うパーツを3Dプリンタで製造することをDDM(Direct Digital Manufactuaring)と呼ぶ。これまで、米国を中心に自動車のアフターパーツメーカーがDDMを活用する例はあったが、自動車メーカーが直接関わる形でアフターパーツのDDMに乗り出すのは世界初だと思う」と強調する。
また、SUN JUNJIE氏がEffect Skinに用いている「アルゴリズミックデザイン」も新しい取り組みになる。「パーツを自由にデザイン」というと、何らかのツールを使って作り上げなければならないイメージがあり、自動車に乗る一般ユーザーにはハードルが高い。
Effect Skinの場合、アルゴリズミックデザインを応用して、12パータンの基本デザインからパラメータを変更することで自由に変化させて、さまざまなデザインを簡単に作ることができる。市販化する際には、パラメータの変更をスライダなどの簡便なGUIで行えるようしてさらにハードルを下げていくという。
Effect Skinの市販化については、パーツ装着による歩行者保護への影響などを含めて2016年5月までに検討を終えたい考え。市販化する場合、販売窓口はSPKが務める。また3DプリンタによるDDMは、ストラタシス・ジャパンが行うのではなく、3Dプリンティングサービスを提供している国内企業に委託する方針だ。
なお、Effect Skinは、「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」(2015年6月24〜26日、東京ビッグサイト)のストラタシス・ジャパンブースで展示される。
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