「今販売している製品は、Parallella BoardとPorcupine(ハリネズミ)と呼ばれるボード。ケースを作ってほしいというユーザーからの声もあるそうだが、Raspberry Piのように売れれば、いろいろなところがもっとケースを作ってくれるだろう。ただ、3Dプリンタがあれば作るのは簡単だけれどね(笑)」(オロフソン氏)
ハードウェアの次はソフトウェアだ。写真にもある通り、世界各地のユーザーがParallella Boardのためのソフトを作ってくれた、とオロフソン氏。OpenMPやOpenCLといったツールや、BASICのような言語まで用意されている。APLやForth、Haskellはまだ大学での研究レベルであるとのこと。ライブラリについても、Adaptivaのメンバーを含めて5人のコントリビューターが作業をしているそうだ。
Parallella Boardはこれまでに1万個以上が世に出され、200の大学、17の学術機関でも使われている。また、16のオープンソースコミュニティーで活発に利用されている。オフィシャルのフォーラムも活発に活動しており、既に1万2000件以上の投稿がある。新興ハードウェアとしては、良いスタートを切っているといえる。
2015年におけるParallellaの動きとしては、引き続きソフトウェアライブラリの作成を行っていく他、SDR(Software Defined Radio)やイメージングに取り組む動きがある。イメージングはロボティクスやドローンといった場面での活用も考えているそうだ。そしてプログラミングのためのドキュメント作成にも着手しており、完成次第、GitHubにて公開される予定だ。「Epiphany V」にも取り掛かる。
次のゴールは「並行プログラミングを楽しく」することだ。Parallella boardはArudinoやRaspberry Piと比較されるが、Arduinoはプログラミングをしたことがない人でも楽しくプログラムできるような仕組みを提供しているし、Raspberry Piはコンピュータ自体を楽しむことができ、子供から大人まで扱えるようにしているのが特徴だとオロフソン氏。このように利用者のハードルを下げる取り組みを、Parallellaでも行っていきたいと語った。
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