以前から、3D-GANが開催してきた講座では、興味を持った人が家でも手軽に使うことができるツールを使うようにしてきました。そうやって継続的に使っていただけることで、徐々に3Dユーザーの裾野が広がるだろうと考えるからです。実際、過去に3D CAD「MoI3D」を使った親子教室も開催していますが、「子どもが家に帰ると、お父さんに頼んで、親子教室で使ったソフトを入れてもらって、さらにいろいろなものを3Dモデリングした」という話も聞きました。そんな流れが大事かな、と思っています。
今回の親子教室で使用したモデラーは、3D CGソフトの「Metasequoia」です。「あれ、CADじゃないの?」という声もあるかもしれませんね? 今回のモデリング部分では、テンプレートの簡単な修正が主で、寸法を扱うことはありません。どちらかというと「3Dの感覚」に親しんでもらうことが目的なので、その意味ではCGもCADも等価と考えました。
さらに、日本語が使えて(UIだけじゃなくて、ファイル名も含めて)使える安価なソフトって少ないのです。おっと、さらにいえば、「日本の企業の」「日本人の開発者が作っている」、ということもですね。実は、この趣旨に賛同してくださったMetasequoiaの開発元 テトラフェイスさんにも今回協賛していただけることになりました
今回のミニ四駆親子教室は、先ほど紹介したように、静岡ホビーショー開催に合わせて、静岡ホビースクエアで2015年5月16日と17日に開催されました。今回は合計で21組の皆さんにご参加いただきました。もちろん見学者や報道関係の方もいましたが、ちょっと珍しいところでは駐日スペイン大使の方も訪れました。そして、何とそこには、初代のミニ四駆世代なら、恐らく誰もが知っている、「前ちゃん」こと前田靖幸さんも! 「タミヤRCカーグランプリ」(1984〜1999年までテレビ東京系列局で放映されていたテレビ番組)の司会を務めていた方です。
全国展開に先駆けたキックオフ的な第1回は盛況でした。今回、このような講座の開催が初めてということもあり、時間配分などで苦労したところはありました。ですが、予定していた一通りの作業は無事、時間内で終えることができました。
参加者の皆さんは、自分たちのオリジナルモデルのデータを作り、3D出力して、さらにシャシーに取り付け、予定通りコースで走るところまで、ちゃんとこぎつけました。まあ、形を変えすぎてホイールベースが変わってしまい、タイヤが接触してしまった、というような小さなアクシデントは起きましたけどね……。ミニ四駆のコースは結構タフなので、シャシーとボディーが衝撃で外れるなどのハプニングもそれなりに起こりました。
さて、子どもたちの満足度は……? 静岡新聞によいコメントが載っていたので、以下に引用してご紹介しますね。
「実車に近いイメージでデータを作った。自分だけの一つしかないボディーができてうれしい」(「3Dプリンターで親子工作 ミニ四駆テーマ、静岡で教室」(静岡新聞)より引用)
そうそう、子どもよりも親の方がはまった場面も見受けられました(笑)。子どもが飽きずにもっと続けられるような内容にする必要性にも気が付きました。もちろん、親がはまる姿を見せるのも悪いことではないですけどね。
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