ここで、ごく一般的なフレキケーブルの損失を検討します。図15に、ここで解析したフレキケーブルの構造を示します。
ケーブルの長さは30センチとします。ベースとしては50μm厚を使用し、線幅100μmの単層、コプレーナ構造にしました。参考までにFR-4基板表面層配線の損失と比較します。FR-4基板の層構成と配線幅を図16に示します。
配線のインピーダンスは50Ωではなく100Ωに近い値ですが、配線幅をFR-4基板と同じにしてあります。もちろん、ポートでの反射はなく、インピーダンス不整合の影響は削除してあります。
フレキケーブルとFR-4基板の損失の比較を図17に示します。
材料はポリイミド(PI)とポリエステル(PET)の2種類を想定し、おのおの誘電率は3.3と3.2、誘電損失は0.001と0.002と両者の代表的な値を使用します。誘電率、誘電正接共にFR-4材より値が小さいのですが、FR-4基板は表面層で上が空気の場合と5μmのレジストがある場合を示します。フレキシブルケーブルは両面に誘電体が存在します。
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