情報科学芸術大学院大学(IAMAS)とフランス通信大手Oragneの東京支社Orange Labs Tokyoによる「Smart Thingsプロジェクト」は、近しい間柄にある人とのコミュニケーションをさらに深めるというコンセプトのもと開発したウェアラブルデバイス「Looper」を披露した。
情報科学芸術大学院大学(IAMAS)とフランス通信大手Oragneの東京支社Orange Labs Tokyoは、2014年4月から1年間の研究プログラム「Smart Thingsプロジェクト」の成果発表となる「Intimate展」(2015年3月27〜28日、東京・六本木)を開催している。
Smart Thingsプロジェクトは、通信会社のOragneにとって重要なスマートフォンのコンパニオンデバイスの開発を目的としている。Intimate展では、同プロジェクトのもと、IAMASの学生が約1年間かけて開発したウェアラブルデバイス「Looper」のプロトタイプと、その開発に至るまでの経緯が展示されている。
Looperは、展示会の名称がIntimate(親しい、親密な)となっているように、近しい間柄にある人とのコミュニケーションをさらに深めるというコンセプトのもと開発された。人間の腕だけでなく体のどこにでも巻き付けて利用できる上に、モノに取り付けてIoT(モノのインターネット)化することも可能である。
加速度センサーとジャイロを搭載するLooperは、Bluetooth Low Energyを使ってスマートフォンと通信連携することにより、装着者のジェスチャーやモノの動きを認識できる。そして、それらのジェスチャーや動きと関連付けた機能をスマートフォン側のアプリで起動する。例えば、カップの動きからコーヒーを飲んでいることを認識すると、今はある程度時間に余裕があると判断し恋人への連絡をリマインドするといったような機能がある。
今回展示したプロトタイプは腕時計サイズだったが、ストラップと変わらないレベルで小型・軽量化も可能とする。価格も1個1000円程度を想定している。プロジェクトを統括したIAMAS産業文化研究センター教授の小林茂氏は「今回の成果をそのまま実用化することはないが、IntimateとモノのIoT化というコンセプトについてはOrange側に発展性を高く評価してもらえた」と述べている。
なお1日目の3月27日には、Looperと関わりの深い「ジェスチャー」についてのワークショップを開催。2日目の3月28日は、ワークショップの参加者が導き出したジェスチャーに関するさまざまなアイデアスケッチも展示するという。
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