女子大生がウェアラブルを考えると――。リクルートテクノロジーズは、同社が開発したリストバンド型のウェアラブルデバイス「Lily」をベースに、理系学科に通う女子大生がデザインした“スマートアクセサリー”を紹介した。
ウェアラブルデバイスは「いかにもウェアラブル」「男性目線」「スポーティ過ぎ」で女子大生からはNG――。
リクルートテクノロジーズは2015年3月17日、同社が開発したリストバンド型のウェアラブルデバイス「Lily」をベースに、理系学科に通う女子大生がデザインした“スマートアクセサリー”を紹介した。
Lilyは「スマートフォンへの電話着信通知」「チャットメッセージ着信通知」「近距離にいるLily利用者の通知」を機能として有しており、プロトタイプを展示した2014年3月の「Wearable Tech EXPO in TOKYO 2014」では商品化について「未定」としていた。
しかし、リクルート社内ではLily活用についての取り組みが現在も進められており、その一環として、「女子大生がウェアラブルに求める要素」「女子大生が欲しいサービス(アプリ)は何か」を検証するため、今回の取り組みとなった。
参加した女子大生からはブレスレット、べっ甲バングル、フラワーブレスレット、シュシュ、ロケットタイプネックレス、スノードームタイプのネックレスなどさまざまなタイプが提案され、利用シーン(アプリ)とともに、スマホ連動のスマートアクセサリーとして紹介された。
彼女たちが外観デザインする際にコンセプトとして挙げたのが、「お気に入りアクセサリーとのバランス」「女性らしさ」「カラバリ」「主張しすぎない」など、あくまでも女性が常用するアイテムとしての味付けだ。Lilyの機能的な制約もあるが、機能を前面に押し出すのではなく、「これがあったら毎日がちょっと便利になる」というコンセプトでウェアラブルを考えた。
Lilyは利用時にスマートフォンと連動させることが前提であり、女性向けを意図することから機能的にも押さえられているので、利用についてはアプリのアイデアがキモになる。女子大生たちから提案されたアプリはモーニングアラームやリマインダー、フレンド通知、スマホでのナビから道を外れていると通知するスマートコンパスなど、スマホでも代替できるが、身につけているデバイスが気を利かせて知らせてくれると便利という感覚のものが大半を占めた。
リクルートテクノロジーズでLilyの企画開発に携わる担当者は、“ハードウェアの作り込みをしすぎない”モノづくりが今回の企画のポイントだと語り、ハードウェアのスペックを優先するような製品開発ではなく、想定した利用者のニーズ、その利用者によるデバイスの使われ方を模索することで、新たなデバイスを生み出せるのではないかと期待していた。
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