また、同社が推進する3Dエクスペリエンス・プラットフォームの最新版である「R2015x」を新たに発表。3Dエクスぺリエンス・プラットフォームは、ユーザーに新たな体験を提供するような製品開発や生産環境を、3Dデータを基軸に一貫して提供できるプラットフォーム。業務プロセスに応じて、CATIAやDELMIAなど複数の製品ブランドのアプリケーションを必要に応じて提示し、同プラットフォーム上でシームレスに利用できることが特徴となる。
最新版では、この業務プロセス別でのパッケージではなく、新たに「ロール(役割)」という概念を追加。プロダクトマネジャーや工程設計者など、組織における「役割」で製品ブランドをパッケージ化し、この役割を選択すれば自動的に必要なアプリケーションが同プラットフォーム上に表示されるようにしている。
ダッソーの3DSビジネストランスフォーメーション事業部テクニカルディレクターの野崎省二氏は「ロールごとに必要なアプリケーションをまとめて購入できるようにしたことで、よりユーザーが使いやすい形で提供できるようになった」と話す。
また、クラウド対応を強化し、従来はパブリッククラウドだけの対応だったが、新バージョンからはプライベートクラウドにも対応。その他、各部門間での情報のやりとりを活発化させるため、SNS(ソーシャルネットワークサービス)同様のソーシャルコラボレーション機能を追加した。ユーザーインタフェースも強化し、各種データを一元的に表示するビジネスダッシュボード機能なども加えている。
また、今後の開発方針として、「従来は3Dエクスペリエンス・プラットフォームについては、CATIA V6との組み合わせでの利用を推奨してきたが、CATIA V5から3Dエクスペリエンス・プラットフォームを利用できる接続インタフェースの開発を進めている」(野崎氏)という。
一方、既にSOLIDWORKS製品については、3Dエクスペリエンス・プラットフォームで利用可能なものが登場している(関連記事:デザインの意思決定が迅速化される「SOLIDWORKS INDUSTRIAL DESIGN」)が、競合各社の他のCADソフトについても同プラットフォームと連携して利用できるような開発も進めるという。野崎氏は「互換性や継続性を意識した開発を進めるとともに、従来以上にオープンネスを推進する」と語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.