MONOist NXPはCANやLINといった車載ネットワーク用のトランシーバICではトップ企業だ。今後は、車載イーサネットやCANを拡張したCAN FD(Flexible Data Rate)などの次世代規格の導入が始まるとみられている。本格導入時期はいつごろになるのか。
フリーマン氏 BMWは、整備などで使う車両診断用のインタフェースにイーサネットを採用しているが、これは民生用機器向けのものがベースになっている。
OPEN Alliance SIGで策定している車載イーサネット規格は、ワイヤーハーネスにツイストペアケーブルが利用できるなどコスト効率が高い。標準規格も策定されているので、今後は採用が広がっていくだろう。
NXPのトランシーバを使った車載イーサネットは、量産車に2017年ごろに採用されるだろう。最初の用途は、駐車時などに車両の周辺を確認するサラウンドビューシステムの車載カメラからの映像伝送になるだろう。
次世代CANであるCAN FDへの対応は、IP(Intellectual Property)の開発元であるRobert Boschと緊密に協力しながら進めている。CAN FDは、車載イーサネットよりも早く、広く普及するだろう。
MONOist CANを代替すると期待されていたFlexRayは使われなくなるのか。
フリーマン氏 FlexRayについては、高速の制御系車載ネットワークという意味で使われることはないだろう。今後そういう用途は、CAN FDや車載イーサネットが担うことになる。ただし、ドライブバイワイヤのような、堅ろう性(ロバストネス)が求められるシステムにはFlexRayの特性を生かせるので、使われなくなくなることはない。
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