岩佐氏はCerevoの新製品となるLiveWedgeについての解説も行った。LiveWedgeは、4系統のHDMI 入力を備えるビデオスイッチャー。4系統全てにスケーラを搭載しており、異なる解像度の映像のスイッチング/ミキシングが行える。外形寸法は270×155×41mmで重量は約1.1kg。最大1080/60fpspの映像入出力に対応しており、LiveWedge本体から4系統の映像と5系統の音声を操作できる。価格は9万5237円(税別)。
LiveWedgeを遠隔操作できる「iPad」用のアプリケーションも無料で提供され、4個のカメラからの映像をiPad上で同時に確認しながら映像のスイッチングや音声のミキシングが行える。無線LANはIEEE 802.11a/b/g/nに対応。このうち11nは5GHz/2.4GHz帯で使える。有線LANにも接続可能だ。また、LiveShell PRO相当のライブ配信機能を内蔵しており、720/30fpsのHDライブ配信と映像のスイッチングが1台で行える。さらに、後日提供されるファームウェアアップデートでは、SDカードへの録画といった複数の機能が追加されるという。
岩佐氏はLiveWedgeの開発コンセプトについて、「LiveShellシリーズを販売して数年になるが、今や映像のライブ配信というのは一般のユーザーも当たり前に行う時代になった。では、こうした“当たり前”が前提になった際、何が求められるようになるかというと、次は“プロもうなる機能と性能”を搭載した一般ユーザーでも手が届く製品だと考えた。そのため価格を10万円以下に設定にしている。数十万円クラスのビデオスイッチャーと比べても引けをとらない性能の製品だと思う」と語った。
目標販売台数については「LiveWedgeがあれば、大掛かりな機材が必要だった本格的なライブ配信が簡単に行える。最近ではYoutuberなど、自分の特技をインターネット上で公開して売り込みたいというユーザーは増えており、こうしたライブ配信機器の市場は拡大していくと見ている。また個人だけでなく、ライブハウスをはじめとする既にライブ配信の機材が設置された施設もターゲットになる。LiveWedgeは3年ほどは売れ続ける製品だと想定している。その場合、販売目標として1万台という数字は見えてくるのではないか」と語った。
LiveWedgeは2015 International CESにおいて、「2015 CES Innovation Awards」を受賞している。出展した際の海外からの反応について岩佐氏は「ビデオスイッチャーとしてはとても小型である点と、低価格であることがユニークだという良好な反応をもらっている。海外では税別999米ドルで販売する予定で、既に多くの海外の代理店から販売の問い合わせをいただいている」と説明した。
2015年2月17日〜3月6日までの期間、製造業最大規模のバーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO 2015 春」が開催される。本イベントでは、Cerevo 代表取締役 CEOの岩佐琢磨氏と、MTDO 代表取締役の田子學氏による対談をお届けする。大手家電メーカーとベンチャー企業という2つの立場を経験した両氏が、日本のモノづくりの現状と未来を語る。
本対談を含め、ITmedia Virtual EXPOへの来場(視聴)を希望される方は、こちらから来場者登録をしていただきたい(参加費無料)。
IoT、ウェアラブル、ビッグデータ――新たなテクノロジーの発展やグローバル競争の加速がモノづくりに変化をもたらしている昨今、一部からは日本の製造業は“冬の時代”といった声も聞こえてくる。果てして本当にそうなのか? この対談では、「日本のモノづくりは何も終わっていない」と語る岩佐氏と田子氏のお2人に、大手メーカーとベンチャー企業という2つの立場でのモノづくりを経験した視点から、日本のモノづくりの現状と未来についてお話いただく。
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