中野ブロードウェイにある「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」のN店長と大学生Y君との交流を通じて、パーソナル3Dプリンタを使いこなすためのハウツーを解説する連載。今回は[印刷]ボタンを押す一歩手前、3Dプリンタで出力するための下準備について紹介します。
最近、話題の「3Dプリンタ」ですが、まだまだ誰でも気軽に触れられる環境は整っていません。そんな中、サブカルの聖地“中野ブロードウェイ”の地下1階にある「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」では、世界各国のパーソナル3Dプリンタをずらりと並べ、行き交う人たちに開放しています。そんなウワサを聞き付けた好奇心旺盛な大学生のY君は思い切ってお店を訪問し、N店長から3Dプリンタの基礎を教えてもらいました。前回は3D CAD「Autodesk 123D Design」を用いて「テトラポッド(消波ブロック)」の3Dモデリングに挑戦し、3Dデータを完成させました(>>前回の記事を読む)。
第3回では、XYZプリンティング製パーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ」シリーズを使って、実際に3Dプリントするための準備について解説します。
なんとかテトラポッドの3Dデータができましたね! N店長、早く出力しましょうよ〜。
そうだね。じゃあ、テトラポッドの3Dデータを「STLファイル」に変換しようか。
えっ、STLファイルって何ですか?
3D CAD(本稿では123D Design)でモデリングしただけでは3Dプリントできないんだよ。作成した3Dデータを「STL」というファイル形式に変換する必要があるんだ。
な〜んだ。そのまま3Dプリントできると思っていましたよ。
実際に3Dプリントするには、STLファイルに変換して、さらに「スライスの設定」なんかもする必要があるんだよ。
す、スライスの設定ですか? なんか知らない用語ばっかりだな……。
じゃあ、今回は3Dプリントするために最低限知っておくべき注意点を一緒に見ていこうか!
はいっ!!
まず、123D Designで作成した3Dデータを3Dプリントするためには、STLというファイル形式に変換する必要があります。このSTLというファイルは、多くの3Dプリンタで共通して読み込めるファイル形式になります。そして、STLファイルを3Dプリンタの専用ソフトウェアで読み込んで、スライス処理などを行います。スライスについては、後ほど詳しく説明します。
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