住友電装は、「人とくるまのテクノロジー展2014 名古屋」において、車両に搭載される各種ECU(電子制御ユニット)の情報を集約するのに用いるゲートウェイECUを展示。CAN(Controller Area Network)とCAN FD(CAN with Flexible Data Rate)の両方に対応するインタフェースを7チャネル搭載しており、早ければ2016年にも量産する予定だ。
住友電装は、「人とくるまのテクノロジー展2014 名古屋」(2014年12月11〜12日、ポートメッセなごや)において、車両に搭載される各種ECU(電子制御ユニット)の情報を集約するのに用いるゲートウェイECUを展示した。
ゲートウェイECUとは、車両に搭載される各種ECU(電子制御ユニット)の情報を集約するのに用いるECUだ。1台の車両に搭載されるECUの個数は高級車であれば100個に達するとも言われており、それらをつなげる車載ネットワークは複雑化する一方になっている。ゲートウェイECUは、ECUの情報を集約するネットワークノードになるとともに、異なるプロトコル間のフレーム変換機能や、異常を検知するセーフティ機能、外部からの改ざんなどに対応するためのセキュリティ機能なども備えている。
同社が展示したゲートウェイECUは2つある。1つは、CAN(Controller Area Network)とCAN FD(CAN with Flexible Data Rate)の両方に対応するインタフェースを7チャネル搭載するものだ。CANは、現行の車両で最も広く利用されている車載LAN規格だが、車両内で用いる場合の通信速度が500kbpsと低い。そこで、より高速の通信速度をCANを実現するために、CANを拡張する形で開発されたのがCAN FDである(関連記事:これが次世代車載ネットワークの本命!? 「CAN FD」は普及するのか)。
住友電装は、CAN/CAN FD両対応のゲートウェイECUを、早ければ2016年にも量産する予定。「量産車を開発する際に、CAN/CAN FD両対応のゲートウェイECUを搭載しておけば、当初はCANで運用しつつ、CAN FD対応のECUと使った車載システムが登場した時点で、そのECUとつなげる場合にCAN FDに切り替えるという対応が可能になる」(同社の説明員)という。
もう1つは、CAN/CAN FD両対応のインタフェース7チャネルに加えて、イーサネットのインタフェースを6チャネル搭載するゲートウェイECUである。これら6チャネルの構成は、車載イーサネットとして知られるEthernet AVBが5チャネル、車両診断機能に利用できる通常のイーサネットが1チャネルとなっている。こちらは現在開発中ということで、量産時期は示されなかった。
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