東芝メディカル、プレミアム超音波診断システムに臨床アプリケーションを追加医療機器ニュース

プレミアム超音波診断システム「Aplio シリーズ」に搭載可能な臨床アプリケーションを新たに開発。穿刺針の視認性を高める針先強調表示や、組織の硬さの空間的分布をカラー表示する機能などを搭載した。

» 2014年11月27日 07時00分 公開
[MONOist]

 東芝メディカルシステムズは2014年11月11日、プレミアム超音波診断システム「Aplio シリーズ」に搭載可能な、臨床アプリケーション「プラチナシリーズ(Platinum Series)」を開発したと発表した。ラインアップは、超音波診断装置の「APLIO 500 TUS-A500」「APLIO 400 TUS-A400」「APLIO 300 TUS-A300」と、リニア式電子スキャンプローブ「PET-805LA」の4種類。

 今回開発されたプラチナシリーズでは、治療時の穿刺針の視認性を高める針先強調表示(BEAM)を採用した。通常のBモードと針強調画像を別々に処理・再構成できるため、Bモード画像の劣化がないという。針の進入角度に応じて最適な画像を自動表示するため、簡単な操作で針を強調表示可能だ。

 Aplio 500のオプションとして、「Shear wave エラストグラフィ」「スマート・ナビゲーション(Smart Navigation)」機能を搭載した。Shear wave エラストグラフィでは、組織の弾性特性を可視化し、びまん性疾患や腫瘍の診断に役立てるエラストグラフィの機能を強化した。生体組織は、超音波の照射で圧迫を加えると、その反動で横方向にせん断波(Shear wave)が伝わるが、その伝播速度は生体の弾性(硬さ)によって変わるという。その速度を超音波装置で計測することで、組織の硬さの空間的分布をカラーで表示可能にした。

 スマート・ナビゲーションでは、RFA(ラジオ波焼灼療法)などの治療時に、超音波画像上に針の仮想穿刺ラインを重ねて表示できる。最大3本までの針に対応し、事前に取り込んでおいたCT・MRI画像を連動して表示する「Smart Fusion(スマート・フュージョン)」と組み合わせられる。

 Aplio 300以外のオプションとして、超音波造影剤により関心領域の輝度変化を定量的に解析する「超音波造影定量評価」をアップデートした。呼吸などで動く臓器に合わせて関心領域(ROI)を自動的に追従し、輝度変化曲線(TIC)の誤差を低減させる他、TICの特徴量を抽出するフィッティング機能により、より客観的な解析が可能になった。

 同社では、2014年11月末に米・シカゴで開催される「北米放射線学会(RSNA)」でシリーズの展示を行い、グローバルに販売を開始するとしている。

photo Aplio Platinum Series
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