富士ソフトは「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展(ET2014)」にて、Cyclone V SoCを使ったステレオビジョンIPや、米IntellipropのIPをFPGAに実装するストレージ関連製品などを展示した。「組み込み機器」と「IP」のマッチングサイト紹介も。
富士ソフトは2014年11月19〜21日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されている「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展(ET2014)」に出展し、Cyclone V SoCを使ったステレオビジョンIPや、米IntellipropのIPコアをFPGAに実装するストレージ関連製品などを展示した。
ステレオビジョンIPは2つのカメラで捉えたステレオ映像をアルテラのCyclone V SoCで補正・校正、およびステレオマッチングを行い、さらに東京工業大学 准教授 実吉敬二氏が開発したアルゴリズムで物体検知と動体追尾を行うもので、システムに合わせたカスタマイズやサービスの提供は富士ソフトが手掛ける。2014年内には販売を開始する予定で、カメラユニットを含めたボードの価格は50万円前後となる見込みだという。
カメラユニットにはTerasic製の500万画素CMOSセンサーを搭載しており、出荷時には補正校正ともに済ませた状態で出荷される。基線長(左右カメラ間の距離)は複数パターンが用意される。ソフトウェアとしてはデモアプリ、IPコア制御用サンプルコア(いずれもソースコード提供)、カメラ用画像ビューワー(Windows 7 バイナリ提供)などが付属する。
米IntellipropのIPをFPGAに実装するストレージ関連製品としては、SATA Revision 3.0(1.5Gbps/3.0Gbps/6Gbps対応)に準拠したIPが注目だ。既に販売開始より1年程経過しているが、ホスト/デバイスいずれにも利用可能であり、対応FPGAもアルテラ「Arria II GX」「Cyclone V SX SoC」やザイリンクス「Zynq-7000」「Kintex-7000」など幅広く、ザイリンクスの「UltraScale」にも対応する予定となっている。
同様のストレージ関連製品としては、SAS 2.1対応IPコアも展示されていた。こちらは米IntellipropのSAS Revision 2.1標準規格準拠(3.0Gpbs/6.0Gbps対応)のイニシエータ/ターゲットIPコアで、サーバやワークステーションのインターコネクト、HDDやSDDのホットスワップなどに利用できる。
この他にもAndroidの描画処理でボトルネックになる部分をFPGAブロックでハードウェア化したグラフィックアクセラレータや、製造中止になったCPUをFPGAで再現するレガシーCPU IPコア、FPGAによるH.265のリアルタイムデコード(デモで使用されていたFPGAはStratix V)などが展示されていた。
また、ブースの1角を占めていたのは、同社の運営する組み込みシステムとIPのマッチングサイト「EIPC」の紹介コーナー。EIPCはFPGAやOS、ドライバ、ミドルウェア、プロセッサなどの製品情報を持つベンダーが情報を登録しており、製品を製造するメーカーが製造する製品にマッチしたIPを検索できるサービス。検索できるだけではなく、IPベンダーへの問い合わせも可能となっている。
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