中島氏は、燃費規制や騒音規制の強化、運転支援システムの発展といった環境の変化によって、今後自動車用のタイヤには、転がり抵抗が小さく、低騒音であるといった性能が求められていくと説明。そこで同氏が次世代の自動車用タイヤとして提案するのが「ダウンサイジング・コンセプト」だ。
中島氏のダウンサイジング・コンセプトは、タイヤ幅が狭く、高い空気圧を持ったホイール径が大きいタイヤを提案する。これは、転がり抵抗が小さいタイヤであることを意味する。転がり抵抗が小さい、転がりやすいということは、エンジンなどの駆動機関が生み出すエネルギーを効率よく利用できるため、燃費性能の向上につながる。さらに、タイヤ幅が狭くなることで、タイヤ騒音の軽減も可能なるというわけだ。また、1つのタイヤに使用する材料も少なくなるため、環境にも貢献できる。
しかし、中島氏はダウンサイジング・コンセプトには課題があると説明する。「タイヤ幅が狭くなったことなどによって、乗り心地やブレーキ性能などが悪化する。こうした部分を別のアプローチによって補完する必要がある」(中島氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.