常にとがった状態で書き続けられる新発想のシャーペン開発に、シーメンスPLMの「NX」が貢献3次元ツールニュース

シーメンスPLMソフトウェアは、三菱鉛筆が開発した内部に複雑な機構を持つシャープペンシル「クルトガ」の設計に、同社の3次元CAD/CAE/CAM統合ソリューション「NX」が活用されたことを発表した。

» 2014年10月02日 18時25分 公開
[MONOist]
クルトガ

 シーメンスPLMソフトウェアは2014年10月2日、三菱鉛筆が開発した内部に複雑な機構を持つシャープペンシル「クルトガ」の設計に、同社の3次元CAD/CAE/CAM統合ソリューション「NX」が活用されたことを発表した。

 クルトガは、常に芯がとがった状態で使用することができるシャープペンシル。書く際の力を使って、ペン先の中にあるのオレンジ色の部品(図1)を少しずつ回転させ、芯の先端を常に尖らせる。オレンジ色の部品の上下にはカムが付いており、筆記荷重、内蔵されたスプリングの力、カムの組み合わせにより、芯を回転させる仕組みになっているそうだ。

「クルトガ」の内部機構 図1 「クルトガ」の内部機構(出典:シーメンスPLMソフトウェア) ※画像クリックで拡大表示

 この新しいアイデアを組み込んだ製品の開発に当たり、NXのモデリング、解析、レンダリング機能などが活用され、業務効率化に大きく貢献したという。

 三菱鉛筆は2005年からNXを採用(導入当時は、Unigraphics)。従来の2次元図面から3次元CADを用いた設計アプローチに変更したことで、1製品当たりの開発期間を平均1.5カ月短縮することに成功したという。さらに、試作設計の開発スピード向上、試作と金型工程の時間短縮、加工データの手戻りの解消、レンダリングによる効果的なプレゼンテーションの実施など、NXの採用により、さまざまな業務効率化に効果を発揮したとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.