では競技のルールについて、順に見ていこう。
最初の課題はシーソーである。装置はシーソーそのものなので説明は不要だろうが、親ロボットは子どもロボットを座席に置き、その反対側に回り込み、シーソーを3回上下させることができればOKだ。
次の課題はポールウォークとブランコ。どちらを先にやるか、順番は自由だ。
ポールウォークのゾーンには、円盤がついたポールが4つ並べられている。子どもロボットが端から端へと、円盤を渡り歩くことができれば課題達成だ。円盤の高さが違っているので、それにどう対応するかもポイントだ。
ブランコは、少し離れた場所に旗が立てられており、ブランコをこいで、子どもロボットが3回連続で旗に触れることができれば成功だ。こぐ方法としては、チェーンを引っ張ってから離す方法や、座席を勢いよく押し出す方法などが多かった。
最後の課題はジャングルジムだ。この課題には、上記3つの課題をクリアしたチームのみが挑戦できる。子どもロボットが自力で傾斜70度のハシゴを登り切り、頂上で旗を揚げられればSHABAASH達成となる。
今回のNHK大学ロボコンで注目したいのは子どもロボットである。前述の通り、フィールドには4つの遊具が置かれているのだが、遊具と遊具の間を走行できるのは親ロボットだけで、子どもロボットは親ロボットに運ばれる形となる。走行機能が不要になったことで、ヒト型やヘビ型など、さまざまなスタイルの子どもロボットが登場していた。
公園の遊具というおなじみの風景が題材なこともあり、競技自体は非常に分かりやすいのだが、アスレチック的な要素が強く、見た目以上に難易度は高かったようだ。予選でSHABAASHを達成できたのは、全18チーム中、わずか2チームのみ(名古屋工業大学と東京大学)。特にポールウォークとブランコは難しかったようで、半分ほどのチームは、第1課題のシーソーまでしかクリアできなかったほどだ。
ただ、いくら難しかったとはいえ、ほとんど何もできないまま終わったチームが多かったのは残念。筆者の感想としては、もうちょっと課題達成チームを見たかったというのが正直なところだ。来年出場するチームには奮起を期待したい。
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