大学生がロボット作りの技術力や戦略を競う「NHK大学ロボコン」が開催された。親と子、2台のロボットを上手に「公園の遊具」で遊ばせることができたのはどこの大学か?
「NHK大学ロボコン」(主催:NHK、NHKエンタープライズ)が6月1日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)にて開催された。事前審査によって選考された全国の18大学が出場、ロボットのアイデアや技術を競った。優勝チームは、インド・プネで開催される「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」(ABUロボコン)に、日本代表として出場する。
NHK大学ロボコンは、毎年ガラリと競技内容が変わる。人間が操作する「手動ロボット」と自律で動作する「自動ロボット」が協力してタスクをこなしていくという点だけは統一されているものの、「何をするか」という部分は大会によって全く異なる。今回はどんな課題なのか――ルールそのものもNHK大学ロボコンの楽しみの1つといえるだろう。
今回の競技名は「A SALUTE TO PARENTHOOD」というものだ。まずは競技の概要について、説明していこう。
この競技は「公園で遊ぶ親子」を模したものである。手動ロボットが親、自動ロボットが子どもになり、フィールド内に設置された4つの遊具、「シーソー」「ポールウォーク」「ブランコ」「ジャングルジム」に挑む(下図)。詳細については後述するが、この全てをクリアすると課題達成=SHABAASH(シャバッシュ)となる。
フィールドは1辺12mの正方形。対角線により、赤チームと青チームのエリアに分けられており、2チームが対戦する形式だ。競技時間は3分で、より早くSHABAASHを達成したチームが勝ちとなる。NHK大学ロボコンは、一部を共通ゾーンにするなどして、相手チームに干渉できるルールの場合も多いのだが、今年の競技は完全に分離しており、お互いへの影響は一切無い。純粋なタイムレースだ。
両チームともSHABAASHを達成できなかったときは、終了時の得点によって勝敗が決まる。最初の課題はシーソーで、点数は10点。2番目と3番目はポールウォークとブランコで、好きな順番で行える。得点は、2番目の課題が20点、3番目の課題が50点となる。これら3つの課題をクリアすると、最後のジャングルジムに挑戦できるようになるが、1〜3番目の課題を複数回やって得点稼ぎをすることも可能だ。
出場の18チームは3チームずつ6つのグループに分けられ、まず予選を戦う。そして決勝トーナメントには、各グループ1位の6チームと、ワイルドカードで2チーム、計8チームが進出することになる。ワイルドカードには、1位以外のチームの中から上位の2チームを選出。どのチームが決勝トーナメントに残るのか、最後まで分からないので、見ている方からすると面白い方式だ。
今回の予選において、「死のグループ」と呼ばれていたのがFグループだ。東京工業大学、長岡技術科学大学、金沢工業大学といった実力校がそろっており、終わってみれば、戦績は各チームが1勝1敗という横並びに。結局、1位は長岡技術科学大学だったのだが、残りの2チームもワイルドカードによって復活し、Fグループはまさかの全チーム通過となった。
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