昔、日本海軍の戦闘機、零戦を開発するとき、過剰設計を防止するために無駄な強度を保持していた部分を最適強度に減少したといっています。
この部分の強度を最適化すると、機体重量を軽くすることができ、この軽くした機体重量を基に強度計算を行うと、また、機体強度を小さくすることができます。この機体強度を下げた設計を行うとさらに機体重量を軽くできるのです。
設計者は、この正のスパイラル・ループで、零戦の機体重量を軽く、抜群の運動性と航続距離を実現したといっています。
これが、正のスパイラルとすれば、DDRメモリICの消費電力と熱は負のスパイラルとなります。
DDRメモリの動作温度が高くなるとメモリセルに蓄えている電荷の運動エネルギーが大きくなり短い時間で放電してしまいます。このため、リフレッシュ動作の間隔を短くする必要がありリフレッシュ動作の消費電力が増大します。
消費電力が増大すればさらに発熱量が増大します(図12)。
実際はDDRメモリの規格ではメモリの動作温度の上限が規格化されていて、この温度で動作することを前提にリフレッシュが実行されています。
つまり最悪条件動作を前提にしているのでそれだけ消費電力的には不利になっています。
携帯機器に使われる低消費電力のモバイルDDRメモリでは温度センサを使い、メモリの温度によりリフレッシュのタイミングを制御する機能を備え、低消費電力動作が可能となっています。
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