化学・素材分野の転職、産学連携から事業化フェーズを担う専門職採用に舵を切る企業も分野別 転職市場状況

2014年6月時点の化学・素材分野、医療機器分野の転職市場状況を紹介。

» 2014年06月27日 20時30分 公開
[MONOist]
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本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。



化学・素材分野の状況と転職のポイント

 化学系については原料メーカー、いわゆる「川上」では、2013年度は近しい業界での経験を保有する若手から30代半ばの即戦力採用が盛んでした。

 一方、素材の置き換えや複合化によって製品開発を行う部材メーカーが、開発加速に向けてポテンシャル層の採用を強化してきました。

 4月以降も引き続き、フィルムなどの部材や金属・樹脂製品を使用する部品メーカーでは、材料評価技術などを保有する化学系技術者の採用を強化する動きが出ています。

 また、既存製品・技術とは異なる分野への参入に伴い、先行開発において不可欠となる専門的な知見を持つ開発者を採用し、産学連携から事業化フェーズを担うプロフェッショナルの採用に舵を切る企業も増えつつあります。

自動車業界:

 材料系技術者のニーズは、海外展開や事業拡張に向けた取引先増大に向け、顧客のニーズを踏まえた製品開発職を中心に活発な採用を継続する傾向にあります。完成車メーカーの販売計画増と呼応して、サプライヤーでは配合から成形性の検討まで幅広い業務に対応するエンジニアのニーズ、あるいは高い品質要求に応えるための品質管理・品質保証や生産技術でのニーズが引き続き堅調です。

 また、開発段階で使用される電池評価装置メーカー等でも、電気化学のバックグラウンドを保有する評価技術者の採用などが増えつつあります。

重電・電機メーカーおよび電子材料関連業界:

 世界市場でシェアの高い製品を持つ企業においては、お客さまへのアプリケーション提案力の強化に向けた技術営業職ニーズが増加。また、一層の事業強化に向けた製品開発職・プロセス開発職、また次世代電池など、新規参入事業のコア技術を有する即戦力の採用に舵を切っています。

ライフサイエンス(診断薬、医薬品、医療材料)、コンシューマ製品(食品・化粧品・文具など)の業界:

 既存事業分野に対して新たなアプローチを試みる物性研究や、若手〜中堅層の補充など、事業目標に即した人材の採用が行われていますが、特に研究開発職は専門性を重視した慎重な採用が続いています。

医療機器業界の状況と転職のポイント

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 医療機器業界は他の業界と比べて、景気の動向を受けにくいとされています。

 世界的な金融危機の際にも、業績を悪化させる企業や業界が多い中、大きな影響を受けることなく堅調な推移を見せていました。今後も日本など先進国では高齢化が進み、新興国は経済の発展に伴う医療水準の向上が見込まれるため、安定的な成長が期待できる業界と言えるでしょう。

 また高齢化を背景に予防医療が重要視されるようになってきました。予防医療が重要視されるに従い、診療関連機器の需要が拡大しています。

 それとは別に、先端医療機器(がん治療機器、医療用ロボット)などの分野も市場の要求が高まると見込まれます。

 こうした中、医療機器メーカーは開発設計、フィールドサービスエンジニア、営業など幅広い職種で採用強化しています。また、医療機器業界未経験であっても職務経験として製品設計、生産技術、保守メンテナンスをお持ちのエンジニアの方が医療業界でご活躍されている事例なども多くなっております。

プロフィール

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河辺 真典(かわべ まさのり)

株式会社メイテックネクスト コンサルタント 統括マネージャー。

元生産技術のエンジニアとして5年勤務し、前職リクルートエージェントでエンジニアの転職紹介を8年経験した後、メイテックネクストでエンジニアの皆さまのさらなる転身のためにサポートしております。

エンジニアの皆さまの今までのご経験とご希望、それに時間軸を加えた3軸で、皆さまの転職を分析し解きほどいていきますと、今まで混沌としていた転職も、おのずと方向が見えてきます。

面談ブースで皆さまとお話しさせていただくことによって、そういったお話しを見い出せたらなと思い、日々仕事をしています。


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