CADベンダーのオートデスク、切削機やインクジェットプリンタを開発するローランド ディー.ジー.(ローランドDG)が、相次いで3Dプリンタ市場への参入を表明した。
2014年5月の第3週で、2つの企業が3Dプリンタ市場への新規参入を表明した。両社ともに価格帯やスペックなど詳細な情報はまだ明かせないとのことだ。
業務用インクジェットプリンタやデジタル加工機を開発するローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は2014年5月14日、最新の小型切削加工機と、光造形式3Dプリンタ(小型3次元積層造形機)を2014年秋ごろ発売すると発表した。同社が3Dプリンタを販売するのは初となる。
価格・価格帯については明かせず、2機種とも「比較的安価」(同社)であるとのことだが、切削加工機については「iModela」のような個人向けではないということだ。同社の2機種は発売に先駆け、市場リサーチを目的として、開発中のサンプル機を今後開催される展示会などで順次参考出品する予定だ。
同社が積層造形機の開発に取り組んでいたことは、前々から同社の株主やユーザーの間でうわさにはなっていたようだ。
3次元CADやCGソフトなどを開発する米オートデスクは2014年5月14日(現地時間)、3Dプリンティング向けオープンソフトウェアプラットフォーム「Spark」と、独自開発の3Dプリンタを2014年下期にリリース予定だと発表した(関連記事:Autodesk、オリジナル3Dプリンタとオープンソースプラットフォーム「Spark」を発表)。
3Dプリンタのスペックはまだ一切明かせないとのことで、リリースに併せて公開された外観の写真から想像するしかないようだ。今回の件は、ハードウェアを売り上げることが目的ではなく、あくまで3Dプリンタや3次元データを普及させるための取り組みの1つであるという。3Dプリンタの設計情報は無料で公開し、他社や研究機関などによって開発や研究が進められるようにする。造形材料は、同社や他社が開発するさまざまな種類に対応させる予定だ。
米オートデスク CEOのCarl Bass氏は、米Wall Street Journalのインタビューで、「本体価格1000ドル未満の家庭向け市場はターゲットにしていない。ターゲットは医療機器やジュエリーなど小さなものを製作するプロユーザーであり、価格は5000ドル前後になるだろう」と述べている。
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