ニューゾーン、データ伝送用デジタル簡易無線モジュール「NZ211M」を発売無線通信技術

アミューズメント機器向けグラフィックスLSIなどを手掛けるアクセルの100%子会社ニューゾーンは、M2M用途でのデータ伝送に最適な小型デジタル簡易無線モジュール「NZ211M(免許局)」の販売を2014年3月中旬より開始すると発表した。

» 2014年02月24日 14時47分 公開
[八木沢篤,MONOist]
ニューゾーン

 アミューズメント機器向けグラフィックスLSIなどを手掛けるアクセルの100%子会社ニューゾーンは2014年2月24日、M2M用途でのデータ伝送に最適な小型デジタル簡易無線モジュール「NZ211M(免許局)」の販売を同年3月中旬より開始すると発表した。

 同製品は、デジタル簡易無線局の無線設備標準規格「ARIB STD-T98」に準拠したデータ通信用無線モジュールで、同社が開発したデジタル簡易無線用LSI「NZ201」を搭載する。86.6×46.2×12.1mmとコンパクトサイズで、機器に組み込むことで、従来よりも手軽にデジタル簡易無線機が実現できるという。

 現在、デジタル簡易無線は、低コストで運用できる無線通信手段として注目され、総務省が中心となり、デジタル化への移行が進められている。デジタル簡易無線は、従来の音声通話だけでなく、データ伝送への利用も期待されており、農地などからのフィールドデータや静止画の伝送、遠隔監視を実現するM2M用途での活用が見込まれる。さらに、特定小電力無線ではカバーし切れない長い通信距離のデータ伝送や、3G回線などの圏外からのデータを回線圏内まで中継する用途などにも期待されている。

NZ211M 画像1 デジタル簡易無線モジュール「NZ211M(免許局)」

 こうしたトレンドを受け、同社は、かねてよりデジタル簡易無線用LSIとしてNZ201の開発を進めており、同LSIを搭載したモジュールタイプのNZ211Mを完成させた。同製品により、無線機器の小型化・低コスト化を実現し、通信コストが課題だった携帯電話通信網(3G/LTE回線など)の代わりに、安価な通信費(年間500円の電波使用料)でデータ伝送が行えるデジタル簡易無線を手軽に利用できるようになる。

 同社は、2013年から展示会などで、同製品の試作機と狭帯域用静止画像伝送ユニット「NZ103U」を組み合わせた、デジタル簡易無線による画像伝送ソリューションを披露してきた。このセットを用いれば監視カメラで撮影した映像データをNZ103Uで高圧縮処理し、NZ211Mのデジタル簡易無線で管理センターに送信するといった利用が可能になる(関連記事:「音声だけじゃない! これからは画像も送れる!!」――ニューゾーンの狭帯域画像伝送ソリューション)。

標準規格 ARIB STD-T98準拠の1W・免許局
使用周波数 467.00〜467.40MHz(65CH)
変調方式 4値FSK
電波の形式 F1D・F1E
信号伝送速度 4800bps
動作温度範囲 −10〜+60℃
電源電圧 DC7.2V
寸法 86.6×46.2×12.1mm
重量 36g
消費電流 1W送信時・700mA以下 スタンバイ時・65mA(Typ)
インタフェース TTLシリアル・4800bps/9600bps
表1 主な仕様

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