ジャパンユニックスは、はんだ付け速度を従来の2倍に高速化したレーザーはんだ付けロボット「UNIX-FSシリーズ」や、レーザー照射径を可変にすることで作業効率を高められる「マルチφレーザー」などを「ネプコンジャパン2014」で公開した。生産性を高められるこれらの新製品により、リフロー装置の置き換えを狙う。
ジャパンユニックスは、エレクトロニクス製造・実装検査に関する専門展である「ネプコンジャパン2014」(2014年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、はんだ付け速度を従来の2倍に高速化したレーザーはんだ付けロボット「UNIX-FSシリーズ」や、レーザー照射径を可変にすることで作業効率を高められる「マルチφレーザー」などの新製品を展示した。これらの新製品は、糸はんだを使ったはんだ付け作業の生産性を向上できることから、従来はリフロー装置を使っていたような工程にも、はんだ付けロボットの導入を提案していく考えだ。
レーザーはんだ付けロボットは、これまで基板側を移動させることで、基板上の接合が必要な部分のはんだ付けを行っていた。このため、従来製品は100点当たりのはんだ付け時間が最短でも60秒かかっていた。これに対してUNIX-FSシリーズは、レーザー光の照射方向を制御することにより、100点当たりのはんだ付け時間を最短で30秒と半分に短縮した。レーザー照射径は直径が最小0.3mm、レーザー出力は25〜75Wで、接合の条件などに合わせて選択できる。はんだ付けの状態を監視するためのカメラも、レーザー照射方向と同軸に搭載している。今後は、同カメラを使ってはんだ付け位置の自動補正やエラー検知などの機能も追加していく予定である。
マルチφレーザーは、レンズの焦点位置を変えることでレーザー照射径を直径0.1〜3.0mmまで可変させられる。接合する部品の端子サイズや基板パターンに合わせてレーザー照射径を調整すれば、より最適な条件を設定し、短時間ではんだ付けを行うことが可能となる。
これまでのレーザーはんだ付けロボットでは、最小サイズの部品に合わせた照射径のレーザーを実装して、高さ方向(Z軸)に動かして照射径を変更したり、照射場所を少しずらして複数回繰り返し行うことで照射径を大きくしたりといった方法をとらなければならなかった。これらの場合、生産効率が悪化することになる。また、照射径の異なる装置を複数台並べて作業すれば生産性は確保できるが、投資コストが膨らむなどの課題があった。
「車載機器や医療機器、ウェアラブル機器などに実装されるモジュール基板には、外形サイズや端子サイズが異なるさまざまな部品が搭載されている。これらの接合に必要な熱量は搭載部品によって異なる。こうした用途では一般的なリフロー装置ではなく、糸はんだを用いたレーザーはんだ付けロボットによる自動化が適している」(説明員)という。新製品はこうしたニーズに対応して開発した。レーザーはんだ付けロボットの生産性を高めたことにより、リフロー装置からの置き換えなども含めて、用途のさらなる拡大を図る考えである。両製品とも2014年4月より発売する。
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