活動テーマをいつ(年月日)までにどのように解決するのかを活動実施計画として作成し、上司を通して事務局へ登録します。「小集団活動計画書」は、できるだけ様式を統一するようにしましょう。様式を統一しておけば、部門間やグループ間の活動比較や記載事項の漏れ防止、事務処理の効率化などに役立ちます。
図1に、「テーマと目標の構成要素」を挙げておきましたので、より充実した活動計画の立案を行ってみましょう。
また、以下に、活動計画の立案に際しての留意事項を列挙しておきましたので、こちらも参考にしてください。小集団活動の目標に対して、最大の成果を得るためには質の高い活動計画の立案も欠かせません。従って、活動計画を立案する際に、十分な検討を行っておく必要があります。
(a)現状の調査結果の分析には、パレート図やヒストグラムなどの“QC七つ道具(関連記事:現場の管理監督者が掌握しておくべき品質管理手法はこれだ!)”を大いに活用し、その解析結果を数値で捉えて利用すると、より確かな問題点を把握することができます。
(b)現在、「a%」の不良率をいつまでに「b%」下げて「c%」にするというように、数値で現在値と目標値を明らかにする必要があります。
(c)現在、幾つの工数をいつまでに半減するというような場合、工数や人員、原価で捉えることが考えられます。このように、数値化する単位は幾つか考えられますので、数値化のための工夫と、活動の進捗状況が正しく捉えられる特性値を正しく選択しておく必要があります。併せて、どういう特性で捉えるかなどを含めた成果の把握方法について、あらかじめ上司の助言と承認を得ておいた方が後々の混乱が避けられます。
(a)改善活動は、できるだけ“QC七つ道具”などの手法を用いて、科学的にアプローチをしていくと効果的です。活動の推進に伴い「小集団活動実施計画書」の目標の欄に特性値の実績の推移を実線で記入していくようにすると進捗を容易に把握することができます。
(b)小集団活動の進歩状況が実施計画書と合っているかなど、定例(毎週または毎月)会合などを開いてチェックします。月々のフォローアップ結果をさらに詳しく記録に残しておきたい場合は、「小集団活動実施状況報告」を活用すると効果的です。これが、そのまま小集団活動の最終まとめ資料となります。
(c)小集団活動でいろいろな問題が発生し、他部門の協力が必要になったときは上司に話して速やかに他部門の協力を依頼します。
(a)小集団活動で所定の目的を達成することができたら、活動中に得た資料を整理して、どのような目的で捉えてスタートし、その結果として何が得られたかなどが、後に誰が見ても分かるようにしておくことが大切です。前項の(4)の(b)の「小集団活動実施状況報告」など月々のフォローアップ資料が子細に作成されていれば理想的です。また、活動のまとめ方として、改善計画や運営方法についてもまとめておき、次回以降の小集団活動に生かすことで、小集団活動のレベルアップにつながっていきます。改善計画や運営方法をまとめる際の留意点を以下に列挙しておきましたので参考にしてください。下記について、グループ員の意見を聞きながらまとめるといいでしょう。
(b)効果は、できるだけ金額で表すことが望ましいでしょう。例えば、効果の金額換算は、次のように算出します。「塗装品の落下事故回数の低減」を改善効果の算出例とした場合「人件費 3200円/h」を算出基準値とします。
(13回−2回)/月 × 0.5h/回 × 3200円/h = 17600円/月
以上の(1)〜(5)の手順を終了して、例えば、作業手順書の作成などの必要な標準化や効果の確認などを行って、再び“(1)グループの編成”または“(2)活動テーマと目標の設定”に戻って小集団活動を計画して、常に、改善活動を継続的に実施していくことが必要です。
この場合、小集団活動が繰り返される度に進歩しているように、全員で市販の関連書籍などを活用しての活動の進め方などについての勉強会を定例的に行うと効果的です。また、小集団グループの各リーダーが集って推進上の問題点などを討論する機会を設けることも、他のグループリーダーから参考になることも多く聞くことができるため、大きな効果があります。
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