東芝、“足を運ぶ”監視サービスで、産業制御システム向けセキュリティに参入SCF2013

東芝は、セキュリティサービスへの取り組み強化の一環として、産業制御システム向けセキュリティサービスを開始する。

» 2013年11月07日 20時15分 公開
[三島一孝,MONOist]
東芝

 東芝は、東京ビッグサイトで開催中の「システム コントロール フェア(SCF)2013」(2013年11月6日〜8日)で制御システム向けのセキュリティサービスを公開した。

 同社は2013年10月1日に組織体制を変更し、新たに社内カンパニーとしてクラウド&ソリューション社を設立。ICTおよびクラウド事業などを中心に、運用サービスの成長なども推進している。運用サービスの中でストレージサービスなどと並んで強化分野となっているのがセキュリティサービスだ。この流れの一環として新たに産業制御システム向けのセキュリティ分野にも取り組む。



 産業制御システムへのサイバー攻撃はイランの核燃料施設を狙ったStuxnet(スタックスネット)で大きな注目を集め、プラントや工場などで産業制御システムを扱う企業の関心も急速に高まっている。またコンピューティング技術の進化により、従来専用機器を使って制御していた環境から汎用PCを使うようになった点、産業機器をネットワーク化しようという動きが高まっている点などから、サイバーリスクを避けては通れない状況になりつつある。

 東芝では、これらの状況に対応し「セキュリティ診断サービス」「セキュリティ機器導入サービス」「セキュリティ監視サービス」「リスク管理サービス」など4つのサービスを提供する予定。ネットワークによる遠隔診断や遠隔監視などの他、東芝グループの全国保守拠点を活用し、クローズドネットでも実際にサービスマンが足を運び、定期的な巡回保守を行えることなどを特徴とする。これらにより新規システムだけでなく、既存システムでもセキュリティを確保しやすくしている。

東芝サービス例 東芝の制御システム向けセキュリティサービスのサービス例。クローズドネットでも実際に足を運んで巡回監視を行えることが特徴だ(クリックで拡大)

 東芝では現在、セキュリティサービスの内容について一連のメニューの整備を進めているところだという。またNTTコミュニケーションズとの協力により、セキュリティ専門家による分析なども行っていく。

 東芝クラウド&ソリューション社 ICTクラウドサービス推進部 クラウドサービス商品企画・技術部 クラウド商品技術第一担当 参事の外山春彦氏は「ネットワークによる365日24時間監視なども当然可能だが、クローズドネットワークでも実際に訪問して監視サービスを行えることが当社のサービスの特徴。制御システムのセキュリティは今後重要性が高まるのは明らかだ。積極的に提案を進めていきたい」と話している。

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