ホンダエレシスは、「第20回ITS世界会議東京2013」(2013年10月14〜18日、東京ビッグサイト)において、歩行者検知が可能な77GHz帯ミリ波レーダーユニットの開発品を展示した。
ホンダエレシスは、「第20回ITS世界会議東京2013」(2013年10月14〜18日、東京ビッグサイト)において、運転支援システムに用いる77GHz帯ミリ波レーダーユニットの開発品を展示した。
このミリ波レーダーユニットは、送受信回路を構成する素子をGaAs(ガリウムヒ素)ベースからSiGe(シリコンゲルマニウム)ベースに変更して集積度を高めるなどして、大幅な薄型化とコスト削減を実現している。最大検知距離は150m以上で、検知範囲は遠距離の場合で16度(±8度)、近距離の場合で40〜50度(±20〜25度)となっている。
最大の特徴は、近距離であれば、その検知範囲の広さによって歩行者も検知できることだ。一般的な運転支援システムの77GHz帯ミリ波レーダーは、車両のようなレーダー反射の強い物体を検知するのに用いられている。レーダー反射の弱い歩行者を検知する機能については、車載カメラによって実現していることが多い。ホンダエレシスが開発中のミリ波レーダーユニットは、車載カメラがなくても、道路を横断する歩行者や、車両や建物から飛び出してくる歩行者を検知できるという。

左の写真は、ホンダエレシスが開発中のミリ波レーダーユニットの外観。右の図は、このミリ波レーダーユニットによる歩行者単体の検知例である。50m以下の距離であれば、歩行者の位置を一定の精度で検知できていることが分かる(クリックで拡大) 出典:ホンダエレシスホンダエレシスは、このミリ波レーダーユニットと、レーンキープアシスト機能向けで実績のある単眼車載カメラを組み合わせた運転支援システムを自動車メーカーに提案している。「ミリ波レーダー単体でも歩行者検知は可能だ。しかし、確実に歩行者を検知するには、車載カメラとのセンサーフュージョンが必要になると考えている」(同社)という。
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