マツダが2013年10月10日から予約販売を開始した新型「アクセラ」は、新たなコックピットコンセプト「Heads-Up Cockpit(ヘッズアップコクピット)」と、スマートフォンとの連携機能を特徴とした車載情報機器「Mazda Connect(マツダコネクト)」を搭載している。その狙いについて、同社商品本部 本部長の梅下隆一氏に聞いた。
マツダが2013年10月10日から予約販売を開始した新型「アクセラ」。2012年11月発売の「アテンザ」続いてデザインテーマ「魂動(こどう)−Soul of Motion」と新世代技術「SKYACTIV」を全面的に採用し、国内市場では同社初となるハイブリッドモデルを投入するなど、話題にこと欠かない(関連記事:新型「アクセラ」のハイブリッドモデル、排気熱を回収して燃費30.8km/lを達成)。
最近のマツダ車は、SKYACTIVや魂動を筆頭に、その走行性能やエクステリアデザインが注目されてきた。その一方で、インテリアデザインについては大手自動車メーカーと比べて高い評価は得られているとは言い難い。車載情報機器についても、トヨタ自動車のテレマティクスサービス「G-BOOK」を採用した純正カーナビゲーションシステム(カーナビ)など、独自色は薄かった。
しかし、新型アクセラでは、新たなコックピットコンセプト「Heads-Up Cockpit(ヘッズアップコクピット)」と、スマートフォンとの連携機能を特徴とした車載情報機器「Mazda Connect(マツダコネクト)」を搭載した。今後発売されるマツダ車にも、順次採用が広がっていく見込みだ。
そこで、ヘッズアップコクピットとマツダコネクトの企画/開発を担当した、マツダ 商品本部 本部長の梅下隆一氏に、開発の背景や狙いについて聞いた。
MONOist ヘッドアップディスプレイ(HUD)を搭載するヘッズアップコクピットや、スマートフォンと連携するマツダコネクトは非常に先進的なシステムです。こういった先進的なシステムは、フラッグシップモデルから導入するイメージがあります。マツダでいえば、2012年11月発売のアテンザです。今回、新型アクセラで採用することになったのはなぜですか。
梅下氏 アクセラのメインユーザーである若年層は、スマートフォンのヘビーユーザーでもあります。各国で社会問題にもなっている“ながらスマホ”は、自動車の運転時に行うと致命的な事故につながりかねません。
そういった若いユーザー層に向けて、スマートフォンライクなコネクティビティと、そういった情報に接していても安全に自動車の運転ができるコックピットのHMI(Human Machine Interface)として開発したのが、マツダコネクトとヘッズアップコクピットなのです。マツダとしては、これら2つのシステムはセットで提供すべきものだと考えています。
MONOist ヘッズアップコクピットのコンセプトについて教えてください。
梅下氏 ヘッズアップコクピットは、その名前の通り、ドライバーが正面を向いて、正しい姿勢で安全に運転に集中できるようにするためのHMIのコンセプトです。「“見る”わき見」、「“意識の”わき見」、「操作」という3つの不注意運転要因を最小化することを目指しました。
メータークラスタの上に設置されたHUD「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」には、車速やカーナビゲーションのルート誘導情報(ターンバイターン)を表示します。これによって、ドライバーは車両前方から視線を外さずに運転できます。
マツダコネクトの情報を表示する7インチディスプレイは、ダッシュボード中央の上側に設置しました。既存のカーナビゲーションシステムと比べても、ディスプレイの情報を確認する際の視線の動きを最小化できます。操作は、シフトレバーの後方に設置したコマンダー、もしくは音声認識で行えるので視線や意識を運転からそらさずに済みます。
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