元ソニー会長の出井氏も期待、「自分だけのクルマ」を実現するEVスポーツカー電気自動車(1/2 ページ)

電気自動車(EV)スポーツカー「トミーカイラZZ(ズィーズィー)」を開発したグリーンロードモータースが、「あなただけのクルマをつくれる時代を語ろう」と題したトークイベントを開催。元ソニー会長の出井伸之氏と、タレントのパンツェッタ・ジローラモ氏をゲストとして招き、クルマの未来を語った。

» 2013年09月05日 15時00分 公開
[三月兎,MONOist]
元ソニー会長の出井伸之氏

 グリーンロードモータース(以下、GLM)が開発した「トミーカイラZZ(ズィーズィー)」は、国内の公道を走行できる電気自動車(EV)スポーツカーだ。

 2013年4月2日にトミーカイラZZを一般公開し、約800万円の価格でWebサイトでの先行予約受付を開始。初年度生産台数の100台に対して、1カ月で仮予約が100件を超えたというエピソードからも、同車がユーザーの注目を集めていることが伺える。

 そのGLMが2013年8月3日、グランフロント大阪のナレッジキャピタルにおいて、「あなただけのクルマをつくれる時代を語ろう」と題したトークイベントを開催。GLM社長の小間裕康氏をホストとして、元ソニー会長の出井伸之氏とタレントのパンツェッタ・ジローラモ氏をゲストに招き、クルマの未来を語った。


スポーツカーを生み出す文化とEVの生産技術を有する京都

 トークイベントは、まず小間氏によるトミーカイラZZの開発秘話からスタートした。

GLMの小間裕康氏 「スポーツカーは好きですか?」と来場者に問い掛けるGLMの小間裕康氏

 自動車業界は、20世紀に誕生した一大産業である。これまでは大手メーカーが、大量生産で自動車を開発販売してきた。そうした業界にベンチャーが参入できるのは「EVだからこそ」と小間氏は言う。

 ガソリンエンジン車は部品点数が3万個と多く、開発製造に高い技術が必要だ。それに対して、EVは部品点数が5千個と少なく、機構もシンプルである。「大ざっぱに言えば、EVはモーターと電池で動く。そして、家庭にあるPCよりもスペックの低いコンピュータで制御できるのだ」(小間氏)。

 それに加えて、GLMが起業した場所が京都だったことも幸いした。京都には、世界的に有名な部品メーカーが集積しており、その力を結集すればEVを容易に生産できると言われていたほどだ。また、1997年に発売されたオリジナルのスポーツカーであるトミーカイラZZを販売していたトミタ夢工場はもちろん、コジマエンジニアリング、童夢などの世界に名だたるスポーツカーメーカーが京都から誕生している。京都は、スポーツカーを生み出す文化とEVを生産する技術を有する土地なのだ。

 とは言っても、最初から京都の部品メーカーがベンチャー企業であるGLMを好意的に受け入れ、協力してくれたわけではない。小間氏がEVの開発販売を手掛けるベンチャーとしてGLMを立ち上げたときには、周囲から「バカなことを……」と言われることもあったという。しかし、何度も部品メーカーに足を運び、熱意を伝えることで協力企業を増やしていった。

「トミーカイラZZ」は、「EVプラットフォーム」と呼ぶ車体部分だけで、安全基準を満たし国内認証を取得しているのが特徴(左)。京都の部品メーカー各社と水平分業で多品種少量生産を実現する「KYOTO生産方式」を採用した(クリックで拡大)

 しかし、新たな車両の一般販売について、基準の厳しい国内認証を取得するまでに時間かがかり、研究開発費が不足して厳しい状況に陥ったこともある。そうした中で、以前から交流があった出井氏をはじめ多くの企業からの出資を得ることができた。そうしたサポーターに支えられて、EVスポーツカーのトミーカイラZZが完成したのである。

元ソニー会長の出井伸之氏 元ソニー会長の出井伸之氏

 次に、小間氏と出井氏が出会ったきっかけが披露された。

 出井氏はソニーを退任後、有望なベンチャー企業を育てるため、2006年にクオンタムリープという会社を興した。小間氏と出井氏は、そこで今から4年以上前に出会っていたのだという。小間氏がEV開発に乗り出したときには、GLMに対して「いいチームだな」(出井氏)と感じ、「日本でも海外に負けないようないいクルマができる」(同氏)とサポートする気になったそうだ。

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