マツダは、防府工場中関地区(山口県防府市)における、次世代技術「SKYACTIV」に対応したトランスミッションの年間生産能力を、現在の75万基から、2014年7月に114万基まで増強する。
マツダは2013年7月2日、防府工場中関地区(山口県防府市)で生産している、次世代技術「SKYACTIV」に対応したトランスミッションを増産すると発表した。現在75万基の年間生産能力を、2014年7月には約1.5倍となる114万基まで増強する計画である。
今回の生産能力増強では、防府工場中関地区に隣接するマツダ関連企業の建屋を活用し、加工ラインと組み立てラインを増設する。2013年7月下旬に着工した後、マシニングセンターをはじめとする生産設備の導入を進め、2014年7月の稼働を目指すとしている。
マツダは、2015年度(2016年3月期)までのグローバルの販売目標台数を170万台としている。170万台のうち、SKYACTIV搭載車の比率を80%まで高める方針で、これに対応した生産体制の強化を推進中だ。なお、SKYACTIVトランスミッションは、主力拠点の防府工場中関地区に加えて、2015年度上半期に稼働する予定のタイの新工場でも生産する。タイ新工場の年間生産能力は40万基である。
SKYACTIVトランスミッションは、2011年9月にマイナーチェンジした「アクセラ」から導入した自動変速機(AT)「SKYACTIV-DRIVE」と、2012年11月にフルモデルチェンジした「アテンザ」から導入したマニュアル変速機(MT)「SKYACTIV-MT」の2種類がある。
SKYACTIV-DRIVEは、従来のATと比べて、変速段数を5段から6段に増やし、トルクコンバーターのロックアップ領域(クラッチ締結状態での走行領域)を49%から82%まで拡大した。これにより、AT内部での動力伝達損失が削減されており、燃費を4〜7%向上する効果が得られるという。
一方、SKYACTIV-MTは、高トルク対応の「Large」と中トルク対応の「Mid」の2機種を開発した。アテンザに搭載されたLargeは、1速用ギアとリバースギアを兼用する新たな構造を採用し、セカンダリー軸長を既存のMTと比べて約20%短縮した。また、1速とリバースアイドル軸を共用することで、リバースアイドル専用軸を省略した。これらの工夫により。重量が既存のMTよりも約3kg軽くなり、MT単体としても燃費を約1%向上する効果が得られた。
2013年秋に発売される新型アクセラは、SKYACTIV-DRIVEとSKYACTIV-MTの両方を採用する予定である。SKYACTIV-MTについては、ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G」と組み合わせ可能な中トルク対応のMidを初採用する可能性がある。アテンザでは、最大トルクが420Nmと大きいクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」搭載モデルのみSKYACTIV-MTを用意していた。
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