5つ目の力は「製品価値のソフトウェア化(Software-Intensive-Products)」だ。「製品価値はハードウェアからソフトウェアに移りつつあり、組み込みソフトの能力に機器の性能が左右されるようになる。今ではソフトウェアを利用していない機器はほぼ存在しない。これらを組み合わせてうまく統合することで新たな商品価値を生み出すことができる」とへプルマン氏は強調する。
6つ目は「接続性(Connectivity)」。The Internet of Things(インターネットオブシングス、IoT)により、モノ同士がネットワークでつながることで、新たな商品価値を生み出すという考えだ。センサーと組み込みシステムを組み合わせることで、自動で洗練された監視や管理などを行うことが可能となる。
そして最後の7つ目が「サービス化(Servitization)」だ。「製品をサービスとして提供する状況となり、モノの販売によるビジネスモデルが縮小していく」とへプルマン氏は予測し、「Product as a Service(サービスとしての製品)」など、製品で得られる価値をもっと細分化してサービスとして提供するビジネスモデルを提唱した。
「既に音楽やソフトウェアの世界では当たり前になっているが、タクシーや自転車のシェアリングなど、あらゆるところに広がり始めている。業務用空調などを手掛ける米インガソール・ランドは空調において“快適な温度環境”をサービス化して提供し、新たなビジネスモデル構築に成功した」とへプルマン氏は話す。
へプルマン氏が訴えるのは、これらの「7つの力」により新たな対応が求められている製造業の「Transformation(変革)」だ。「大きな7つの力によってあらゆる環境が変化する中、従来の古い形にこだわる製造業の多くは競争で生き残ってはいけない。あらゆるところで新しい動きに対応するために変革が必要になる。そのためには新たな技術の採用が不可欠になる」とへプルマン氏は強調する。
「PTCは3次元CADにより早くから製造業のデジタル化を推進してきた他、PLMのWindchillなどによりグローバル設計およびグローバル化に貢献。さらにALMやSLMなどの製品群を用意し、7つの変化の多くの部分でサポートを実現する」とへプルマン氏は語り、製造業の変革を後押しすることを訴えた。
世界市場を見据えたモノづくりを推進するには、エンジニアリングチェーン改革が必須。世界同時開発を実現するモノづくり方法論の解説記事を「グローバル設計・開発」コーナーに集約しています。併せてご参照ください。
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