PTCは、米フロリダ州オーランドにおいてユーザーイベント「PlanetPTC Live 2012」を開催。同イベントで、米国家電メーカー ワールプールが自社のPLM導入について語った。
米国の大手PLMベンダー PTCは2012年6月3〜6日、米国フロリダ州オーランドにおいてユーザーイベント「PlanetPTC Live 2012」を開催した。カスタマーやパートナーを含め世界中から約2100人が参加し、PTCの今後のビジョンや製品ロードマップの紹介、ユーザー事例の紹介、ユーザーカンファレンスなどを実施した。NASA(アメリカ国立航空宇宙局:National Aeronautics and Space Administration)のディレクターやマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授が登壇するセッションも設けられた。
同イベントのキーノートに登壇したPTCの社長兼CEOのジェームス・E・へプルマン氏は、講演冒頭で2012年4月に英エコノミスト誌に特集された「第3の産業革命」について論じた記事を紹介した。18世紀後半に始まった繊維工業の機械化による「第1の産業革命」は、製造を集中的に行う「工場」という存在を作り出した。「第2の産業革命」は20世紀初頭のヘンリー・フォード氏による「流れ作業による組み立てライン」で、大量生産技術は人々を豊かにして都市化を促したという。そして昨今の「製造工程のデジタル化」は、「第3の産業革命」となり得ると同誌は論じた。製造工程のデジタル化を支えているのは、新素材、高性能な工業用ロボット、新しい製造法、インターネット(とりわけWeb技術)の発展、そしてスマートなソフトウェアである。
「企業の競争力を強くして市場をリードしていくには、『どの地域でどんな製品を作り』『どの地域でどの製品を販売するか』といった戦略的な意思決定(ストラテジー)、製品を生み出すエンジアリング、サプライヤー、さらにはセールスやサービスといったグローバルな生産体制を支える共通基盤が必要」(ヘプルマン氏)。
グローバルでの競争が激化する中、多くの企業は製品サイクルの短期化、多様化するニーズ、環境問題などに対応しながら、市場の要求にマッチした製品を迅速かつ低コストで提供する方法を模索している。しかし業務プロセスや自社のエンジニアリングに対して個別に投資を続けても、その効果には限界がある。そうヘプルマン氏は述べ、エンジニアリングを中心とした新たなオペレーションを実現し、市場競争力を強めていくべきであると主張した。
PTCが展開する製品は、エンジニアリングと密接に結び付いたPLMを中心に、CAD、ALM、SCM、SLMが密接に連携する。PTC製品によって新たなオペレーションを実現した例として、同氏は韓国の自動車メーカー ヒュンダイ(現代自動車)や、米国の家電メーカー ワールプール(Whirlpool)を紹介した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.