BMWのハイブリッドにはスポーティさが必要、「プリウス」とは思想が異なるBMW 開発部門担当取締役 Herbert Diess氏 インタビュー(2/2 ページ)

» 2013年03月19日 11時31分 公開
[川端由美,MONOist]
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過給ダウンサイズの方向性を貫く

 ディーゼルに関しては、トヨタ副会長の内山田竹志氏も、欧州で主流の排気量1.6〜2l(リットル)のエンジンを独自開発する難しさを認識しており、BMWから供給を受けると発表している。では、トヨタとBMWの提携は、両社のガソリンエンジン開発には影響を及ぼさないのだろうか。

 「トヨタとは、さまざまなアイデアを共有しています。ただ、現段階でガソリンエンジンに関して、2社の共通の話題としてお話しすべきことはありません。BMWとしては、ガソリンエンジンでも過給ダウンサイズの方向性を貫き、高効率でありながらスポーティでパワフルな走行性能を目標としています。1気筒あたり0.5lを基本に、必要な出力に応じて気筒数を決めていきます。現在考えている中で最も小さなガソリンエンジンは3気筒です」(ディース氏)。

BMWのヘルベルト・ディース氏

 ディース氏のコメントからは、BMWが「エフィシェント・ダイナミクス(EfficientDynamics)」の掛け声の下で進めてきた、効率を高めつつ走行性能も高める方針を、今後もさらに推し進めるつもりであることが分かる。トヨタとの提携によって、BMWの製品が大きく変わるかといえばそうではなさそうだ。

 むしろ、製品レベルでの技術供与よりも、最新の研究開発という深いレベルで連携し、そこから得た知見を生かして効率のよい開発を進めているようにみえる。実際のところ、BMWがドイツをはじめ各国の研究機関と行っている研究開発による知見と、トヨタが持つ2次電池や電気駆動系の知見をシェアできれば、互いに得られるメリットは大きいだろう。

筆者紹介

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川端由美(かわばた ゆみ)

自動車ジャーナリスト/環境ジャーナリスト。大学院で工学を修めた後、エンジニアとして就職。その後、自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランスの自動車ジャーナリストに。自動車の環境問題と新技術を中心に、技術者、女性、ジャーナリストとしてハイブリッドな目線を生かしたリポートを展開。カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の他、国土交通省の独立行政法人評価委員会委員や環境省の有識者委員も務める。



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