はんだ付けに用いるリフロー炉の操作方法や、実装ラインの品質を管理する現場の人材育成の手法を解説する本連載。第2回は、第1回に引き続き、実装ラインにおけるはんだ付けの良否について、具体的な事例を紹介する。
本連載は「エレクトロニクス実装技術」2012年4月号の記事を転載しています。
フラックスは100℃を超えると熱で軟化し、リードやランドの熱に反応しその周りに広がり綺麗な曲線を描く。熱反応が悪いフラックス(耐熱性が高いフラックス)や熱風で劣化したフラックスは荒れて外側へ広がる傾向が見られる(図1、図2、図3)。
フラックスが正しく熱反応をすると、熱源のリードやランドに絡むように広がり、フィレット表面を覆い、はんだの表面張力を抑えてその流動性を保持しセルフアライメント効果やぬれ広がり、上がりを確保すると同時にはんだの熱対流によるガスの放出でボイドを削減する効果が得られる。
はんだ付けはフラックスの効力を最大限引き出すことでぬれ性を含む接合部の品質を確保する。現場では最初にこのフラックス残渣の形状で温度プロファイルの適否を判定することが重要である。基板や部品のめっきや材質・設計が絶えず変わる量産現場では画一的な数値管理による規格に基づくものでは不十分である(※この点については、(株)情報機構発行の『量産現場のための鉛フリー実装トラブル対策ハンドブック』も参照されたい)。
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