改造版・Androidエミュレータ、改造版・仮想マシン(QEMU)はソースコードからのビルドが必要になります。
ここでは改造版・Androidエミュレータと改造版・仮想マシン(QEMU)それぞれのビルド方法を説明します。
改造版Androidエミュレータのビルド:ビルド方法
下記コマンドは、「2.2.1.3.Android 2.1プラットフォームソースコードのダウンロード」で作成した<WORKING_DIRECTORY>で実行します。
$ source build/envsetup.sh
$ lunch
$ make
改造版・仮想マシン(QEMU)のビルド:ビルド方法
$ sudo apt-get install libglib2.0-dev libsdl1.2-dev
下記コマンドは、「2.2.3.改造版・仮想マシン(QEMU)」でダウンロードした「host-qemu」ディレクトリで実行します。
$ ./configure
$ make clean
$ make
改造版・Androidエミュレータと改造版・仮想マシン(QEMU)のビルドが完了したら、いよいよAndroidエミュレータUSB接続環境を起動できます。
まず、以下のコマンドで、Androidエミュレータを起動します。Androidエミュレータを起動するには、「2.2.1.3.Android 2.1プラットフォームソースコードのダウンロード」で作成した<WORKING_DIRECTORY>で、以下のコマンドを実行してください。
$./out/host/linux-x86/bin/emulator -sdcard <SDメモリーカードのイメージ>(注5) -kernel <カーネルイメージ>(注6)
次に、仮想マシン(QEMU)を起動します。QEMUを起動するには、「2.2.3.改造版・仮想マシン(QEMU)」でダウンロードした「host-qemu」ディレクトリで以下のコマンドを実行してください。
$./x86_64-softmmu/qemu-system-x86_64 -usb -enable-kvm -cdrom <ISOイメージ>(注7)
これで、AndroidエミュレータUSB接続環境を利用するための準備が整いました。
AndroidエミュレータUSB接続環境の構築ができましたので、早速、デモを披露したいと思います。
デモ内容は、Android(QEMU)からホストPC(QEMU)に対して、USB接続(受話器ボタンを押下)し、Androidエミュレータ内にあるSDメモリーカードをホストPC上で参照・更新するというものです(動画1)。
このデモ内容から分かる通り、実機環境と全く同じ操作方法で、AndroidとPCとのUSB接続テストが可能となります(注8)。
今回は、AndroidエミュレータでUSB接続環境を構築する方法を紹介しました。現状、この環境は“デモ版”であり、予期せぬエラーなどが発生する可能性もあります……。しかし、現段階で、AndroidエミュレータでのUSB接続がGoogle公式サイトで“制限”とされている以上、今回作成した開発環境は「大いなる一歩」ではないかと、われわれは考えています。今後も、本環境は機能拡張や改良を実施していく予定です。ご興味・ご関心のある方は、こちらまでご一報いただければと思います。
次回は、今回のエミュレータを使ったPCRescuroidの改造内容を紹介したいと思います。お楽しみに! (次回に続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.