絞り加工と溶接加工の変形技で目指せ! 100%プロ領域甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(8)(2/3 ページ)

» 2013年01月18日 11時00分 公開
[國井良昌/國井技術士設計事務所(Active Design Office),MONOist]
甚

今回のオメェは、冴えまくっているよなぁ。問題は、その“株価”がいつまで続くかだな。いつまでも“高値が続く”といいんだがよぉ。

良

ムッフーンッ! 僕のお株は今後も高値キープですよっ!


バンバン板金設計の即戦力になるフロー

1.断面急変探索のテクニックを身に付ける

甚さんの設計サバイバル大特訓(1)

甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(1):1ページ目

まずはこれだけで、一気にベテラン設計者の50%まで追い付けます。


2.板金設計の絵辞書を携帯し使いこなす

甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(1):2ページ目

これで、ベテラン設計者の60%まで追い付けます。


3.板金設計の基本であるL型板金を上記1、2で設計できる

「バンバン板金設計でキャリアアップ(6)」で解説しました。

これで、ベテラン設計者の70%まで追い付けます。


4.板金設計の応用である板金箱を上記1〜3で設計できる

甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(6)で解説しました。

これで、ベテラン設計者の80%まで追い付けます。


5.板金設計の「調味料」を使用できること

甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(7)で解説しました。

これで、ベテラン設計者の90%まで追い付けます。


6.板金箱の変形例を上記1〜5で設計できること

今回から解説します。

これで、ベテラン設計者の100%です!



甚

ホンじゃ次はよぉ、いつもの「バンバン板金設計の即戦力になるフロー」を見ろ! 前回の第7回ではよぉ、板金設計で最も重要な「ボックス形状」を理解したはずだぁ!


第6回の図6〜図8の事例はどれも、「四隅にすき間があること」を認識してください。次に、「四隅のすき間をなるべくなくすテクニック」、つまり「調味料」を紹介します。

第7回より)

 上の引用に「調味料」の単語があります。「バンバン板金設計の即戦力になるフロー」にも書いてあります。

良

僕は板金設計における「ボックス形状」の重要性と、「調味料」までは、しっかりと理解しています。……それから、エリカちゃんと一緒に復習もしました、ムフフ……。


甚

感心、感心。しっかしよぉ、今回のオメェは、本当に一体、どうしたんだ?


良

いつか僕が「頑張れ、日本!」って言ったとき、甚さんが「頑張るのは、オメェだ!」と叱ってくれたからです!


甚

そうかそうかー。ああ、その通りだ。そんじぁ、今回は「即戦力になるフロー」の「6」にへいるぞ! 板金設計の変形例に行くぜぃ。


 第6回の図7、図8、図9の事例、および第7回の図2の左右と図3の事例のいずれも、四隅に曲げ加工のためのすき間(穴)が開いてしまいます。もし、箱の中に、ねじなどの小物部品を入れる場合なら、このすき間は不都合ではありません。しかし小物部品でなく、粉体や流体の場合だと漏れてしまいます。

 そこで、流体の場合は漏れが生じますが、粉体なら漏れなきことを満たせるボックス形状の一例が図3です。

図3 四隅のすき間を少なくする一例:「ついてきなぁ! 加工部品設計で3次元CADのプロになる!」(日刊工業新聞社刊)より

 板金による絞り加工と溶接加工によって製造が可能です。

良

図3の事例も板金部品らしい形状をしていますね。そして、絞り加工といえば、灰皿。絞り加工……これは学校で習ったと思います


甚

ホンじゃ、良君。図4の内容を解説してみろ!


図4 すみ肉溶接ですき間(穴)を塞いだ例
良

図4は、課題の四隅の穴を「すみ肉溶接」でふさいだ例です。この事例の場合、中に入れるものが、粉体でも液体でも漏れませんね。


甚

その通り。昔の携帯電話用バッテリーケースは、この図4の要領で作っていたんだぜぃ。しっかしよぉ、その肝心の溶接がはがれたり、腐食するんで、今はワンピース(1枚)の絞り加工でできている。


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