ダッソー主催の「第1回 デザインスケッチアワード」の大賞は、名古屋市立大学大学院のチーム「THOTHs」が受賞。同チームが考案した「COMPASS」は、若者たちの自由気ままなショッピングの相棒となる小型パーソナルモビリティということだ。SNSやスマートフォンアプリとの連携も考えた。
ダッソー・システムズ(Dassault Systemes:以下、ダッソー)は2012年12月6日に、同社のユーザー向けセミナー「デザイン・エグゼクティブ・セミナー」内で、若手デザイナーを対象としたプロダクトデザインコンテスト「第1回 デザインスケッチアワード」の表彰式を開催した(主催:ダッソー・システムズ、協力:公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)とアスプロス)。同コンテストのテーマは、「若者が本当に乗りたい『モビリティ(乗り物、移動機器)』」。
同コンテストでは、ダッソーのスケッチツール「CATIA Natural Sketch」(以下、Natural Sketch)を使い製品デザインをし、製品コンセプトについてプレゼンテーションを実施する。同社のSNSプラットフォーム「3DSwYm(スリーディースイム)」を用いて各チームの課題提出や中間報告、審査などが実施された。
同コンテスト審査委員にはフリーランスのデザインジャーナリスト 有元正存氏、名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科 教授 國本桂史氏、SIM-Drive ジェネラルマネージャー 畑山一郎氏。
大賞を受賞したのは、名古屋市立大学大学院のデザインチーム「THOTHs(トートス)」。同チームには表彰状と、パリの芸術学校とダッソー本社/デザインスタジオ見学の目録が送られた。
彼らが考案したのは「COMPASS」という小型パーソナルモビリティ(1人乗りの移動機器)だ。
「乗ってみたい」「ワクワクする」感じを起させ、かつ街中の雑踏の中でも邪魔にならないデザインとした。
COMPASSは一見すると一輪車だが、実際には、2輪のタイヤで構成される。移動中に旋回する場合は、旋回方向のタイヤが少しへこみ、機体を傾斜させる。なお、タイヤはパンクレスな物を想定している。
このCOMPASSは、「街中で、楽しくショッピングできるような乗り物」として考案したという。例えば電車やバスなど公共機関を乗り継いで近隣の街へ移動する途中では、簡易な座席として利用する。目的地に着いたら、モビリティとして利用する。「昨今のエネルギー問題を考えると、今後は、従来型の自動車より、公共機関が発達するだろうと考えた」とTHOTHsの奥田氏。
「単に個人の満足を導くだけではなく、社会に貢献できるようなデザインにすることを目標にした。スタイリングに特化するだけではなく、モビリティと社会をつなぐような社会性を持つデザインを目指した。私たちの世代は情報機器をよく使いこなしている。新しい情報に敏感であり、それを皆で共有することを好む。そして話題の中心、ムードメーカーでありたい。『リーダーとなって皆を引っ張りたい』願望があると考えた」(奥田氏)。
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