ソニーは、裏面照射型CMOSイメージセンサーや複数の波長光源、肌解析アルゴリズムなどで構成される独自の肌解析技術「SSKEP(スケップ)」を開発。肌のきめ・しみ・毛穴・明るさ・色味などを、高精度かつ高速に解析できるという。
ソニーは2012年12月3日、裏面照射型CMOSイメージセンサーや複数の波長光源、肌解析アルゴリズムなどで構成される独自の肌解析技術「SSKEP(スケップ/Smart Skin Evaluation Program)」を開発したと発表した。センシング技術と画像処理技術により、肌のきめ・しみ・毛穴・明るさ・色味などを、高精度かつ高速に解析できるとのこと。
肌の状態を検査する肌測定機には、業務用と簡易な一般消費者向けがあるが、業務用は大型で高額、一般消費者向けは測定項目が少ないなどの課題を抱えている。今回、ソニーが開発した技術はこうした従来の課題を解決するものであり、SSKEPを採用することで、小型でありながらも、多くの肌情報を手軽に測定できる機器の開発が可能になるという。
一般的に肌解析は、可視光が届く皮膚の表面に加えて、近赤外光でしか届かない皮下の情報を取得することが重要とされている。SSKEPの場合、複数の波長光源の出力とCMOSイメージセンサーでの撮像の双方を最適に制御することで、可視光から近赤外光の領域まで高感度な撮影を可能にし、多様で高精度な測定を実現している。加えて、独自のアルゴリズムの採用により、画像解析技術や形状認識技術による定量評価、画素単位での成分分析による可視化が可能である。
ソニーは今後も、SSKEPの幅広いサービス展開・製品採用を見越して、肌解析技術の機能拡張に向けた開発を継続するとしている。同社は、イメージセンサーの活用・展開をデジタルイメージング機器だけにとどめず、撮影画像を基に、被写体との距離や動き、形状、色など、さまざまな情報を取得し識別する「センシング領域」にも広げ、新たな市場を開拓していきたい考えだ。
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