日本は洋上風力発電所の建設・運用では他国に後れを取っている。大規模太陽光発電所(メガソーラー)に相当する洋上メガウインドファームの運用はこれからだ。洋上風力では北海道・東北地方が適地だとされることが多いが、風力資源は他にも隠れている。
洋上風力発電(洋上ウインドファーム)が急速に注目を集めている*1)。なぜか。陸上設置で課題となる用地買収や地権者との交渉の他、陸上に設置することによる環境、生活への影響を低減できるからだ。さらに陸上と比べて一般に風が強いことも有利である。
*1) 洋上風力発電の立地に適したイギリスでは、既に合計で1000MW以上(風車300基以上)の洋上風力が運用されている。2010年6月時点では、日本の洋上風力発電の運用規模は1MW(2基)だった。
前田建設工業は、6万kW(60MW)級の洋上風力発電所を、山口県下関市に建設する(図1)。出力3000kWの風力発電機を20台用意し、海底に固定した支柱に取り付けていく。まず、2015年春に10基を設置、2016年春に売電を開始する。同時に残りの10基を設置し、2017年春には予定していた総売電規模に到達する計画だ。既に現地の漁業協同組合とは事業推進に関する基本的合意書を交わし、中国電力には系統接続を申し込んだという。今後は特別目的会社(SPC)を設立し、出資を募る。総事業費は220〜250億円を予定する。
同社は再生可能エネルギーに対する取り組みを2011年から開始しており、既に下関市以外の洋上風力発電所の立地も検討しているという。
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