オブジェット・ジャパンは、デスクトップ3次元プリンタ「Objet30 Pro」を発表。DMS2012でも披露する。新製品で作った「かわいい造形サンプル&ストーリー」も紹介する。
オブジェット・ジャパンは2012年6月18日、デスクトップ3次元プリンタの新製品「Objet30 Pro」を発表した。同社の既存機種「Objet30」の上位版だ。Objet30 Proは、従来、ハイエンド機種でしか扱えなかった材料の一部が扱える。価格は498万円(本体のみ。税抜き)で、販売開始は2012年6月20日から。
参考:既存機種「Objet30」は398万円。
以下ではObjet30 Proのスペックについて、Objet30と比較しながら紹介する。両者は外形や解像度、ヘッド数(2つ)などは同じだが、扱える造形材料の数が異なり、それに伴って最薄の積層厚も異なっている。
Objet30 Pro、Objet30ともに同じ大きさのものを扱える。
Objet30 Pro、Objet30ともに同サイズ。
Objet30 Proは7種類、Objet30は5種類の造形材料を使用できる。Objet30 Proで新たに使用できるようになった「RGD525」は、プリンタから取り出した直後でHDT(熱たわみ度)が63〜67度だが、プログラム可能なオーブンで2次熱処理をすることで75〜80度(HDT)まで耐性を向上させられる。
Objet30 Proのみ
Objet30 ProおよびObjet30
「DurusWhite」は、PPと似た物性のため、スナップフィットの評価にも使える。
600×600×900dpi
Objet30 Proは、Vero Clear利用時に16μm。Vero Clear利用時以外のObjet30 ProとObjet30は28μm。
オブジェット 日本代理店 アルテックによるデモ:3次元モデルをObjet30 Proに送る(撮影:小林)
記者発表会では、出席者に“おみやげ”(造形サンプル)が配られた。Objet30 Proで、7種類の材料を使って造形した部品である。
これらを組み立てると、かわいいクラッシック・カーになる。
以下のオブジェット(Objet)本社が製作したObjet30 Proのデモ・ムービーもかわいらしい。中に出てくるフィギュアや小物は、Objet30 Proで造形されている。
1人の男性が3次元プリンタから生まれ、やがて家具も生まれ、妻も“生まれ”……、という具合に“幸せな生活”が徐々に具現化されていく。最後には、いかにも3次元プリンタらしい“Rapid”な結末が待っている。
通常は10カ月掛かるところ、9時間で……という話だ。
2012年6月20〜22日に東京ビッグサイトで開催される第23回 設計・製造ソリューション展(DMS2012)では、2011年開催の同展示会まで代理店経由で出展してきた3次元プリンタ 開発元のオブジェットがブースを構える。2012年4月に設立したばかりの同社日本法人 オブジェット・ジャパンの日本イベント・デビューとなる。展示では、市場に密着したサポート体制や、同社のエントリー〜ハイエンドモデルまでの幅広いラインアップをアピールしていくという。
そのブースでは、上で紹介したObjet30 Proの実機を披露する。ほか、同社の高精度・高精細3次元プリンタ「EDEN」シリーズ、マルチマテリアル造形が可能なハイエンド機「Connex」シリーズなども展示する。
「各種の3次元プリンタや100種類の造形材料のラインアップをはじめ、3次元CADデータを基に造形する、仕上げを施す、各アプリケーションへの活用……といった各種ソリューション(製品・サービス)が見られる充実した展示を予定しています」(同社)。
今後はオブジェット・ジャパンとしても日本市場に密着しながら、顧客や販売代理店 アルテックなどのパートナー企業からの多岐に渡る要望にも、迅速かつきめ細やかに対応していきたいとのことだ。
「3次元プリンタ市場の成長とともに、オブジェットも確実かつ順調に成長を続けています。特に日本市場においては、自動車業界、消費者製品、家電製品などの各種製造業、医歯科業界/医療機器、および教育機関と幅広い分野において、そのニーズはとても大きなものとなっています」(同社)。
会期 2012年06月20〜6月22日 10:00〜18:00※最終日のみ17:00終了
会場 東京ビッグサイト
東2ホール(小間番号:24-34)
東2ホール(小間番号:21-42)
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