Androidエミュレータの状態をTelnetで操作するAndroidアプリケーション開発者のためのTips集(9)(1/2 ページ)

Androidアプリ開発者のためのTips集。電源接続・電話着信などの状況を、「Telnet」接続により、Androidエミュレータ上で作り出すことができる。今回はその方法について紹介する。

» 2012年02月27日 11時57分 公開
Android Tips

Tips概要と動作検証環境

用途 便利
カテゴリ 開発環境
レベル 中級
動作確認環境 Android 2.3.3(GingerBread) エミュレータにて動作確認
備考 今回のTipsは上記環境で動作確認・検証を行っています


Tips 9:Androidエミュレータの状態をTelnetで操作する

 作成したアプリケーションの動作をいろいろなバージョンのAndroidで確認する場合、Android SDKに含まれるエミュレータを用いることになる。しかし、エミュレータ単体では、電源をつなぐ・外すといったことを再現できないし、電話がかかってきた場合の挙動なども確認できない。

 実は、このような電源接続・電話着信などの状況を、「Telnet」接続により、エミュレータ上で作り出すことができる。今回はその方法について紹介する。

Windows 7でTelnetクライアントを有効にする

 今回、動作確認を行ったWindows 7環境では、Telnetクライアントがデフォルトで“無効(OFF)”になっている。まずは、Windows 7環境でTelnetクライアントを“有効(ON)”にする。手順は以下の通りだ。

  1. 「コントロールパネル」から[プログラム]―[プログラムと機能]―[Windowsの機能の有効化または無効化]を選択
  2. 「Windowsの機能」ダイアログ(画像1)が表示されたら、[Telnet クライアント]にチェックを入れて、[OK]ボタンを押す
「Windowsの機能」ダイアログ 画像1 「Windowsの機能」ダイアログ
※補足:Windows XP/Windows Vistaでも、ほぼ同じ要領でTelnetクライアントを有効にできる。


エミュレータへTelnet接続・切断するには

 AndroidエミュレータへTelnet接続するには、以下のコマンドを実行する。

    telnet localhost <ポート番号>

 エミュレータのポート番号は、「adb devices」コマンドなどで確認しておこう(画像2)。

「adb devices」コマンドでの確認 画像2 「adb devices」コマンドでの確認

 もしくは、エミュレータを実行するウィンドウのタイトルバーでもポート番号を確認できる(画像3)。

エミュレータのタイトルバー 画像3 エミュレータのタイトルバー

 エミュレータへのTelnet接続に成功すると、以下のように表示される。

    Android Console: type 'help' for a list of commands
    OK

 Telnet接続を終了する際には、「quit」と入力する。

Telnet接続でできること

 Telnet接続に成功したら「help」と入力してみよう。以下のように使用できるコマンドの一覧が表示される(画像4)。

使用できるコマンドの一覧を表示 画像4 使用できるコマンドの一覧を表示

 ハードウェアのイベントを疑似的に発生させたり、センサーの計測値、位置情報、通信の状態を変更したりできる他、通話やショートメッセージに関する操作も行える。

 画像4に示したコマンドの下には、さらに“サブコマンド”があるため、実際に実行できるものはこれらよりも多くなる。全ての機能を紹介することは難しいので、本稿では以下の4つの機能について解説する。

  • 電源状態、バッテリー残量の変更
  • 位置情報の設定
  • 電話着信のシミュレート
  • ショートメッセージ受信のシミュレート
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